令和は「お金」が変わる時代 元・財務官僚が語る損しないために知るべき基礎知識 (2/5ページ)

新刊JP

――昨年、コインチェック事件が大きく報道されるなど、仮想通貨に対して怪しいイメージを持つ人も多いと思います。実際、仮想通貨は投資対象として取り上げられることがほとんどで、仮想通貨が根づくことによって私たちの生活はどう変わるのかについてはよくわからないところがあります。

松田:現在主に流通している「ビットコイン」や「イーサリアム」といった仮想通貨で一般の方々の日常生活が劇的に変わることはないと思います。

ただ、今ものすごいスピードで情報技術が進歩していますから、今後まちがいなく現在の仮想通貨を超えるさまざまな通貨が出てくるはずで、それによって私たちの社会が変わっていくことは考えられます。

――どのような通貨が登場すると考えられますか?

松田:日本でもキャッシュレス化が進んでいますが、この流れの行き着く先が仮想通貨なのだろうと思います。極端なことを言えば、私たち一人ひとりが仮想通貨を発行できる時代がくる。そうなれば一般の人の生活にも変化が生まれるでしょうね。

たとえば、ある特定の人たちや特定の団体の間で流通する仮想通貨が出てきて、そのコミュニティの中で仮想通貨を通じて価値のやり取りが生じる。あるいは芸術活動をやっている人が仮想通貨を発行して、自分の活動に共感したり感動した人にそれを買ってもらうことで生活が成り立っていくということが考えられるわけです。

――なるほど。

松田:そうなると、小さな経済圏が日本のあちこちにできてくる。遠い将来の話のように思えるかもしれませんが、案外早いうちに実現するかもしれません。

これまでは、「お金」というと中央銀行が発行した貨幣しか選択肢がなかったので、私たちは国家をバックにした中央集権の仕組みに縛られざるをえなかったわけです。しかし、仮想通貨によって同じ価値観や同じ趣味嗜好を共有する人同士のコミュニティが多くできてくれば、それらが経済的に自立していく可能性がある。そうなるとより多様で面白い世の中になるのではないかと思っています。このあたりは『いま知っておきたい「みらいのお金」の話』でも詳しく述べています。

「令和は「お金」が変わる時代 元・財務官僚が語る損しないために知るべき基礎知識」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る