殴打数十回、露出強要、ゆすり…鬼畜の所業【平成わいせつ教師事件簿】

まいじつ

(C)Peeradon  payakpan / Shutterstock
(C)Peeradon payakpan / Shutterstock

1995年、奈良県奈良市の県立高校で、演劇部顧問だった当時32歳の男性教諭Iが〝演技指導〟と称して暴行や性的虐待を繰り返し、逮捕された。Iには2年7カ月の〝激甘〟な実刑判決が下されている。

このIは、少なくとも1992年から3年間にわたり、演劇部の指導の際、複数の部員に暴行やわいせつ行為を繰り返していた。被害にあった1人、2年生の女生徒Aさんは、練習時間に遅れたことを理由に頭を20回以上、腹部を2、3回殴られ、鼓膜損傷など全治9カ月のケガを負っている。その際、Iは「親には本当のことを言うな。お前の将来くらいどうにでもなる」と隠蔽工作まで行っていたというから、まさにヤクザ顔負けの悪質さだ。

「Iは他の生徒にも『指示通りにできなかった』『音響の捜査を間違えた』などと理由を付けては、一度に数十回も殴打を繰り返していました。また、〝演技指導〟と称して女性部員を部室に連れ込み、身体を触るなどのわいせつ行為も発覚しています。さらには生徒が卒業した後も、自ら主催する劇団に所属させ、わいせつな行為を繰り返していたのです」(地元紙記者)

Iは「劇団を辞めたい」と訴える少女に対して、「辞めるならお前の(父親が経営している)店をつぶす。オレは議員やヤクザを知っているから簡単だ」などと脅迫もしていたといい、また、演劇でミスをすると「家から金を持って来い」などとスゴみ、生徒が「できないと」と断ると「意気地なし。親から金を盗むのは罪にならない」などといった暴言まで吐いていた。

「生徒たちの間では演劇部の部室は『サティアン』と呼ばれていて、まさに〝恐怖の部屋〟だったといいます。部室は中から施錠され、周囲に暴行がバレないように大音量で音楽をかけ、やりたい放題でした。稽古時には女生徒をハーフトップのレオタード姿にし、『ブラジャーをするな』と命令。時にはジャージを引っ張って下ろすこともあったそうです。最終的にAさんはIに洗脳され、身体の関係も〝好きな人には当たり前〟と考えるようになってしまったのです」(同・記者)

教師でありながら悪事の役満

実は学校は、これらIの暴力行為の一部を把握していたが、Iが「演劇指導」と強硬に主張したため、そのまま鵜呑みにしてしまったという。

ようやく表沙汰になったのは、Aさん家族を中心に『被害者の会』が結成され、奈良県教育委員会に被害を訴え出てからだ。Iは自宅謹慎措置となり、県教委が事実関係を調査した。しかしIは県教委に対し、自分の演劇論を延々と述べるなど言い訳に終始していたという。

さらにIは、演劇部員や県教委の調査に応じる生徒らに対して、「県教委に知り合いがいる。お前のしゃべったことはすべて耳に入る」などと脅して事実を隠蔽しようとし、その一方で保護者らには嘆願署名を集めるように依頼までしていた。

この事件は刑事所分とは別に、被害者の部員らがIと学校責任者、奈良県を相手取って損害賠償を求める裁判を起こし、最終的にIは1000万円、県側は1100万円の慰謝料を被害者に支払っている。

教師と生徒の身分関係を利用した悪質行為は、二度と起きることがないよう切に願うものだ。

【画像】

Peeradon payakpan / Shutterstock

「殴打数十回、露出強要、ゆすり…鬼畜の所業【平成わいせつ教師事件簿】」のページです。デイリーニュースオンラインは、わいせつ教師事件簿性犯罪虐待セクハラ社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る