炎上対談!笑福亭鶴光×三遊亭小遊三「噺家ウラ裏バナシ」(3)2人きりでおると談志師匠エエ人や (1/2ページ)
小遊三 3年前の独演会の演目にした大ネタの古典落語「らくだ」は、酒にまつわる逸話が多い松鶴師匠が得意にしたもので、鶴光さんが松鶴師匠の速記の資料を持ってきて、「これ、やったらどう?」と勧めてくれたんですよね。
鶴光 ワテもあれから「らくだ」やろうと思ったんですわ。「お前らもやれ」て弟子にも速記を渡して、あいつらがしくじったのを確かめてから、やろうという考え。我ながら汚い人間や。「らくだ」のすごい人って東京では(八代目三笑亭)可楽師匠ですか?
小遊三 (七代目立川)談志師匠が一番、印象に残ってます。
鶴光 ウチの師匠は、らくだの兄貴分の脳天の熊五郎が絶品やった。どこへ焦点置きました? くず屋でっか? 兄貴分でっか?
小遊三 兄貴分だよね。
鶴光 あの兄貴分は悪人でっか? 善人でっか?
小遊三 悪い奴だね。
鶴光 ワシは善人や思う。エエ奴が突っ張っている。
小遊三 逆に悪い奴なら、くず屋の居直り方が余計引き立つ。
鶴光 結局、どこに視点を持っていくかちゅうところが噺家のスタイルですよね。
小遊三 尊敬してる噺家というと、そりゃもう、人間的な素晴らしさでは、志ん朝師匠。それから芸人としてのスケールの大きさじゃ(五代目三遊亭)円楽師匠。私らとは違う世界の人だなというのが談志師匠。
鶴光 談志師匠て、2人きりでおる時は、あんなエエ人、おまへんで。いろんなこと、教えてくれて。それが人が入ってくると、急に変わるんやね。横浜で昼夜興行した時に、不機嫌で、35分取っているのにたった5分で降りてきた。その代わり、夜はたっぷり1時間15分、歌舞伎狂言を元にした「小猿七之助」の噺。「トータルでこれでいいだろ」って(笑)。