「ピエール瀧がクスリを断って復帰したら」泉谷しげる×井筒和幸「2019年前半10大ニュース」メッタ斬り!

日刊大衆

「ピエール瀧がクスリを断って復帰したら」泉谷しげる×井筒和幸「2019年前半10大ニュース」メッタ斬り!

 映画監督の井筒和幸氏(66)、そしてミュージシャンの泉谷しげる氏(70)といえば、どんな人や物にも屈しない硬骨漢として名を馳せてきた人物。そのお二人が、元号が「令和」になるのを記念して、芸能界から社会まで、快刀乱麻、ブッタ斬る!

井筒 しげるさんは昨日もコンサートだったそうで。

泉谷 そうなんだよ。昭和、平成、令和と元号も3つ目だけどさ、俺のコンサートなんかにも、最近、平成生まれがたーくさん来てんだよ。もう、ほとんど孫だよ(笑)。まあ、役者として『三匹のオッサン』とかやってたからだろうな。

■萩原健一を羽交い締めにして

井筒 ぼくら昭和世代から言うと、ミュージシャンやって俳優もって人で面白かったのはしげるさん、あとはやっぱり萩原健一さんですよ。

泉谷 ショーケンは共演したことあんだけど、すぐ監督を殴っちゃうんだよ。俺、後ろから羽交い締めにしてよく止めたもん。

井筒 日活撮影所で、昼からウォッカあおってたの見たことあるもんな(笑)。

泉谷 確か、なんかの事情で、シーンがなくなっちゃたのが原因でさ。

井筒 役者としてはある意味、素晴らしいな。そこまでシーンに入れ込んでるんだから。それでいきなり欠番って言われたら、“この野郎”ってなるわ。でも、まあ彼は本当にいい作品とエエ役に恵まれてたよ。

泉谷 監督は、どの役が好きだった?

井筒 実は『太陽にほえろ!』とか『傷だらけの天使』じゃない。あんなの、全然どうってことない(笑)。やっぱり僕としては『死人狩り』(原作:笹沢左保78年フジテレビ放送)ってドラマが本当に良かった。柳ジョージさんの歌も良くてね。監督も工藤栄一さんや田中徳三さんでさ。

泉谷 あったあった! あのずっと雨降ってたヤツ。

井筒 そうそう。僕にとってはショーケンといえば、あの作品の刑事。

泉谷 しかし、彼も不良上がりで、よくあそこまでいけたよね。まずデビューはアイドルの『ザ・テンプターズ』だもんな。

井筒 ちょっとスネたアイドル。元不良の典型でしょ。

泉谷 そこが面白かった。俺なんか、当時はアイドルって、みんな不良だと思ってたもん(笑)。その落差は下手なロックンローラーより狂気じみてたよね。

■内田裕也とあわや喧嘩

井筒 ロックンローラーといえば、(内田)裕也さんもついにお亡くなりになった。

泉谷 裕也さんは、狂気というより理不尽だった。俺もテレビの出演前「生意気だ」って取り囲まれたからね。それで、こっちだって「やんのかコラ」って応戦したことがあったんだよ。

井筒 僕もあるな! 帝国ホテルのロビーで、いきなり「お前、挨拶がないぞ」ってスゴまれて。でも、僕も“なんで、挨拶せなあかんのですか?”とやり返したんです。だって、知り合いのお兄ちゃんだったら挨拶するけど、そのときが初対面なんだから。知らんでしょ。そんなん。そうしたら裕也さんは“おぉ、お前、そんな調子か”って、そのまま戻っていって。こっちも“どないやねん”って。まさに昭和の芸能者(笑)。

泉谷 いやあ、さすが裕也さん、理不尽だねえ(笑)。でも、もともと、あの人は霊界からこっちへ遊びに来てたような人だから。普段から化けて出てるようなもんだったからね。亡くなったって言っても、俺にとっては、ようやく帰って行ったって感じだね。

■緒形拳や高倉健はすごかった

井筒 しげるさんは、今まで共演した役者で印象に残っている方っています?

泉谷 うーん、いろんな方がいるけど、たとえば緒形拳さんは、スゴイ人だったよね。共演したときに驚いたんだけど、あの人は、殴るシーンがあると、演技じゃなくて本当にブン殴ってくるんだ。小便もホンモノ。

井筒 お、『野獣刑事』だ、大阪ロケ。工藤栄一監督の。

泉谷 そうそう。

井筒  緒形さんはそこまでするのは、しげるさんのことを好きなんだからって思いますよ。

泉谷  そういえば、共演はなかったけど、お会いした中では、高倉健さんは、本当に人間ができた人だった。共演者やスタッフも大事にしてたね。現場でポンとロレックスの腕時計を配ったりするんだよ。

井筒  撮影部も、もらったって聞いたな。健さんも、まさに昭和の荒野に立った不器用者か。本当の銀幕スターか。健さんの『昭和残俠伝』観て、お客が映画館出ると肩で風切って歩いてるほどの影響力がある人だったからねえ。

泉谷  まあ、同じ任侠スターの鶴田浩二さんなんかは、エラいケチだったっていうけどな。

井筒  ウハハ。そんなセリフ言ってた。“俺は只のケチな人殺しだ”って(笑)。

泉谷  そういえば、東映の任侠映画が人気があるのは“敗北者”や“はみ出し人間”が描かれて、そこにダメ人間が共感できて入り込むからな。

井筒  そういう意味では、現在は“敗北者”や“ダメ人間”がすごく生きにくい世の中になってる。

■勝ち組だの負け組だのって

泉谷  そうなんだよ。勝ち組だの負け組だのって。今の安倍首相になってから、そんなのばっかり。

井筒  そう。その勝ち組、負け組って風潮そのものが僕は許せない。あの辞任した、桜田っていう大臣は“復興よりも議員が大事”なんて言って。腹の中じゃ、被災地のことなんか、なんにも考えてないのが丸分かり。ひどい人だ。ただの政治屋です!

泉谷  その通り! オリンピックだって、安倍首相だの都知事が“復興五輪”なんて心にもないお題目を掲げて、選手にも無駄に国を背負わせてプレッシャーかけてさ。勝っても負けても良いじゃねえかっての。

井筒  前の東京オリンピックのマラソンで3位になった円谷選手が、その後自殺しちゃった。あれも国を背負わせて次は“勝て勝て”ってやったせいでしょ。今、また同じこととしようとしてる。そんなプレッシャーかけてどないやねんって。

泉谷  アテネのオリンピック時もさ、長嶋(茂雄)さんを野球の監督にしたら、大会前に倒れちゃったじゃない。あれも、マスコミだのなんだのが国を背負わせ過ぎちゃったからだと思うんだよ。負けたら終わり、みたいにな。

井筒  皆、犠牲だもんな。

泉谷  負けてもやり直せなきゃ。ほら、ピエール瀧みたいに捕まったら袋叩きにするみたいな。

井筒  僕もダメ人間好きやから、彼が完全にクスリを断って復帰したら、僕の不良群像映画に警官役なんかウェルカムです。

泉谷  いいねえ。俺もライブとかに呼びたいよ。

井筒  とにかく、アメリカ流の勝ち負けにこだわる生き方は、本来、日本人には向いてないと思います。

泉谷  今の日本全体が“欧米かっ!”て突っ込み入れたくなるような生活だもんな( 笑 )。

井筒  アメリカ的な肉食生活になって、大腸がんも増えたっていうしね。

泉谷  食生活でいえば、まあイチロー選手があんだけ長くやれたのは、うまいもんをたくさん食って、しっかりトレーニングしてって面はあると思うけどさ。

井筒  昔は、スポーツ選手は30歳過ぎたら引退してましたからね。

泉谷  まあ、イチロー選手はうまいもん食い過ぎかもしれないから、がんには気をつけてって感じかな。

井筒  健康は何より大事なんでね。あとで、70歳になっても全国ツアーをバリバリやっているしげるさんの健康法についても聞いとこうかな。

――続きは次回に!

いずみや・しげる 1948年、青森県に生まれ東京で育つ。71年にデビュー。72年『春夏秋冬』が大ヒット。79年に初主演したドラマ『戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件』で芸術祭優秀賞を受賞。以後、俳優としても高く評価されている。

いづつ・かずゆき 1952年、奈良県生まれ。75年にピンク映画の監督としてデビュー。1981年『ガキ帝国』で日本映画監督協会新人奨励賞を皮切りに多数の映画賞受賞。日本映画界屈指の名監督。テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍。

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