「台湾の雑肉屋台」《新井見枝香コラム・本能めし4》 (2/2ページ)

日刊大衆

 こうして私は、世界中どこへ行っても、本能で美味いものを見つけられる。

 という話かと思いきや、違うのである。

 友人とケーキ屋へ行くと、日本語の商品説明をじっくり読み、時には店員に質問をして、2、3個ずつ真剣に選ぶ。そしてお互いのケーキをひとくちずつ交換するのだが、毎度友人が選んだケーキのほうが美味しいと感じるのだ。

 ひとくちしか食べられないから、美味しく感じるのだろうか。

 しかし友人は、そっちのケーキのが美味しい、とは言わないので、ひとくちだから美味しい説は成立しない。同時に、私が本能でうまいものを見つけられる説も成立しない。

 それなら、最初からその友人が選んだケーキを頼めば良いからだ。

 このことから、あの雑肉屋台の総菜は、きっとどれを選んでも超美味しかったのだ、という結論に行き着く。豚の皮や鶏の足は柔らかく煮込まれ、ぷるぷるコリコリとした食感は、思い出すだけで涙が出そうである。

 ただ、必要以上に激辛であった。別の涙が止まらないほどに。

 ポリ袋に詰める際、「辛いタレはかけるか?」と聞かれたのは理解できた。

 だが、日本語で答えた「ほんの少しだけ!」は、全く翻訳されなかったのである。

 コンニャクめ!

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