原巨人に「思わぬ陥穽」一見好調でも「50億円補強」は大失敗!?
33試合を消化した5月9日現在、20勝12敗1分けで首位を走る巨人。「今季はとにかくアクティブ」(番記者)と言われる原辰徳監督の采配も現在のところ、功を奏している感がある。
だが、セ・リーグのスコアラー陣は、「首位にいられるのが不思議なくらい。巨人はどうなるか分からない」と口をそろえるのだ。
スポーツ紙デスクは言う。「中継ぎ陣が悪すぎますね。首位にいながら、中継ぎ陣の防御率はリーグワーストの4・3(32試合時点)。負け試合の半分は、中継ぎと抑えの失敗によるものです。中継ぎを引っ張っていくべき吉川光夫、野上亮磨といったベテランがピリッとせず、畠世周、宮國椋丞も打ち込まれています。計算できるのは、中川皓太と戸根千明くらいですね」
巨人OBでV9戦士の黒江透修氏も、「最大の問題は、7回以降を任せられるピッチャーがいないこと」と断言する。
今季の巨人は、インセンティブを含めると総額50億円にも及ぶ史上最大の大補強を断行している。
「今年コケたら、球団ワーストとなる5年連続V逸を記録してしまいます。原さんは“全権監督”という、ミスターにも与えられなかった絶大な権限を与えられました。これを利用して大補強を主導したわけです。
ただ、50億円もの大枚をはたいた大補強が成功だったかと言えば、疑問ですね」(球界関係者)
まず、50億円も使いながら、ウィークポイントである中継ぎ陣を補強できなかったことは大失敗だろう。
「実は開幕直後から、系列の日本テレビやスポーツ報知、読売新聞には“なぜ中継ぎを補強しなかったんだ!”という趣旨のファンの投書が殺到していたんです。これがリハビリ中のミスターの耳にも入ったようで、ミスターからフロントに“(6月末の)トレード期限までに誰か補強できないのか”と、問い合わせがあったといいます。
もちろん、巨人フロントもオフから動いていたんですが、相手球団から門前払いされることが多く、望み薄のようですね」(前同)
巨人が“トレードの切り札”にしていたのが、澤村拓一だったという。
「今季は先発で登板していますが、悪癖の制球難で自滅しています。実績ある投手ですのでパ・リーグの球団とならトレードがまとまる可能性がありましたが、一部で報じられたように、4月中旬に泥酔して暴行事件を起こしていたことが判明しました。以前から素行不良が噂されていましたから、今回の一件で澤村に手を挙げる球団はなくなってしまったかもしれません」(前出のデスク)
唯一の朗報は、難病治療で出遅れていたマシソンが、14日の2軍戦で復帰することくらい。中継ぎ陣の不安定さは尾を引きそうだ。
もう一つ、大補強の誤算は“助っ人”外国人だ。「メジャー20本塁打の実績を引っ提げて入団したビヤヌエバですが、内角の速い球と外の変化球に弱い。2年目のゲレーロも不調で、2人揃って6日に2軍落ちしています」(前同)
前出の黒江氏も、「僕はキャンプのときから、心配だったんだけど、案の定ダメになっちゃったね。助っ人が働かないと、これから苦しくなりますよ」と、眉を曇らせる。もう一人、“新守護神”として獲得したクックも、誤算だった。
「わずか8試合(8イニング)投げただけで、右肩に違和感があると戦線離脱してしまいました。1軍に復帰しても、三振が取れず打たせて取るタイプなので、ストッパーとしては不安が残りますね」(前出の番記者)
50億円大補強のつまずきは他にもある。「オリックスから35歳の中島宏之と、マリナーズを退団した37歳の岩隅久志を獲ったことです。17年のオフ、巨人は功労者の村田修一を“チームの若返り”を理由に自由契約にしました。当時、村田は37歳。にもかかわらず、中島と岩隅を取ったのはなぜなんだと声が上がっています」(前同)
絶大な権限を持つ原監督にしてみれば、チーム方針などクソ食らえ、自分こそ“正義”ということか。
「コーチ陣にしても、高橋由伸監督時代から一新して、宮本和知と水野雄仁が投手コーチ、元木大介が内野守備コーチと、“イエスマン”を配置。由伸巨人から生き残った吉村禎章はナンバー2とされていますが、肩書は総合打撃コーチ。原監督はヘッドコーチを置かず、独裁的に采配を振るっているわけです」(同)
原監督は昔から、「仲間とそうでない人間を区別するタイプ」(同)だと言われ、それは記者陣に対しても同様だという。「懇意にしている記者の派閥がありますが、それ以外の記者には冷たいと、もっぱらですね」(同)
掘ってみれば問題が次々と噴出しそうな原巨人。だが、首位にいられるのは、「丸佳浩、坂本勇人が好調で、菅野智之、山口俊ら先発陣が崩れていないから。ひとたび歯車が崩れたら、一気に順位を落とすかも……」(デスク)
悲願のV奪還は、一本道ではいかなさそうだ。
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