突如水が湧きだし沈み込んでいくロシアの町。一体何が起きているのか?
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ロシアを縦断するウラル山脈の西側にカマ川が流れている。この川はいずれヴォルガ河に合流し、カスピ海へ向かう。
そのカマ川の西岸には、ベレズニキという町がある。が、近年、この町ではSFのような事態が起こっているのだ。
宇宙人が襲来したわけでも、町の人がゾンビ化したわけでもない。もっと地味だが、それは着実に進行している現実なのである。
ベレズニキの町は、徐々に水に沈んでいっているのだ。
・川沿いの鉱山町
ベレズニキの人口は15万人を超える。この町ができたのは一世紀近く前、ソビエト連邦の時代だ。当時の政府には、ここに町を造りたい理由があった。
その理由とは、カリウム塩の鉱山である。鉱山で働く労働者と、その家族の暮らす場所として、ベレズニキの町がつくられたのだ。
町が建てられた場所は、採掘中の鉱山の真上に当たる場所だった。危険な話に聞こえるが、当時のソ連では普通のことであり、実際に何十年も何の問題も起こらなかったのである。

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それから現在までの間に採掘は進み、坑道は町の地下一面に広がっていった。
・陥没の始まり
しかし、2006年のことである。地下220m~460mのどこかの地点で、水が湧き出したのだ。

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まずいことに、坑道の天井を支えている壁や柱は、水溶性の塩でできていたのである。塩が溶けるにつれて、町のあちらこちら、居住区や商業地区に見過ごせない規模の陥没が起こっている。
「お祖父さん」と呼ばれる最大の陥没穴は、幅がおよそ400m、深さは200mを超える。鉱山への唯一の鉄道路線が、この「お祖父さん」に呑み込まれかねない状況だ。

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ベレズニキの鉱山では、全世界の10%に当たるカリウム塩を産出している。そしてもちろん、鉱山は町の経済の中心だ。閉山ということになれば、そのダメージは大きなものになるだろう。

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・これからの対策は?
ロシア政府も状況を傍観しているわけではない。通常の調査に加え、ビデオ監視システムや、感震器、また、人工衛星による高度変化の監視など、高度な技術を投入して、陥没穴形成の予測に努めている。

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政府と採鉱会社の間では、ベレズニキの町をそっくりカマ川の対岸に移すべきか、という問題について協議されている。対岸は地盤が固いのだ。
しかし、技術者たちは、陥没穴が形成される時期は終わったと保証する。坑道のほとんどが水で埋まったので、今後は新しい穴は開かないだろうとの見通しだ。

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陥没が始まってから、1万2千人程がベレズニキを去っていった。この地に残ることに決めた人々は、油断無く状況を見張っていることだろう。
追記(2019/05/28)本文を一部訂正し再送します。
References: Amusing Planet など / written by K.Y.K. / edited by parumo