天才テリー伊藤対談「目黒祐樹」(4)4分の演技のため1年間の稽古を!? (1/2ページ)
テリー 目黒さんと松方さん、顔がすごく似ているじゃないですか。それって、うれしいものなんですか。
目黒 どうでしょう、小さい頃からずっと言われ続けていますからね。一方では親父にも似ていると言われますしね(笑)。
テリー あ、確かに最近はお父さんのイメージに近いですね。でも、雰囲気的には、お父さんはもっと野武士っぽかったかも。
目黒 そうですね。親子3人の中では親父は「剣豪スター」と呼ばれる、いちばん迫力があるタイプでした。
テリー 剣豪スターか、懐かしい響きがしますね。剣豪の匂いがした役者といえば、振り返ってみると三船敏郎さんと近衛十四郎さんぐらいだし。どうですか、ここはお父さんの跡を継いで、剣豪スターを目指すなんていうのは。
目黒 アハハハ。でも、もうすぐ公開になる映画が、まさにそんな古武士が活躍する話なんですよ。
テリー 目黒さんが出演された「武蔵-むさし-」という映画ですね。
目黒 これは皆さんご存じの宮本武蔵、佐々木小次郎の話なんですが、僕は巌流島の決闘をセッティングした沢村大学助吉重という影の人物を演じました。テリーさん、ご存じですか?
テリー いえ、初めて聞く名前です。
目黒 でしょうね、そのぐらい今までほとんど世に出ていない存在なんです。小倉藩の細川忠興に仕えて重臣になった人なんですが、兵法家で非常に剣の腕も立つ。生涯三十数回の合戦の場に身を運んだにもかかわらず生き残って、91歳で亡くなったらしいです。
テリー おもしろい経歴ですね。そこまでの人物にこれまでスポットが当たっていなかったなんて、驚いたなァ。