東海大学安楽死事件から考える安楽死と尊厳死 (3/3ページ)
■どうしてこのような事件がおこってしまったのか
元々、強硬な要求をする患者家族と病院には相互不信があり、急遽患者の主治医となった医師は家族との意思疎通も十分でないまま、執拗な家族の要請を断り切れないという精神的弱さがあった上、延命治療中止や安楽死について一人で抱え込み、悩み、迷いながら、他の医師に相談することもなく、実行してしまい、チーム医療が機能していなかった。又、東海大学付属病院は1975年開院と歴史も浅く、患者や家族のためのケアなど終末医療体制にも不備があったと言える。
■最後に…
種々の悪条件が重なった状況で起きた不幸な事件であったが、安楽死に一石を投じて、関係者だけでなく、医学界に大きな衝撃を与えた事件であった。
現在、厚生省や医師会でも高齢化社会を迎えたわが国の終末医療のあり方が盛んに議論されているが、患者の意思決定の仕組みや終末期医療の質の向上など課題は多い。