1980年代にメタル音楽にはまっていた当時の若者は今どうなっているのか?立派な大人に成長していた(米研究)

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1980年代にメタル音楽にはまっていた当時の若者は今どうなっているのか?立派な大人に成長していた(米研究)
1980年代にメタル音楽にはまっていた当時の若者は今どうなっているのか?立派な大人に成長していた(米研究)

LucaLorenzelli/iStock

 ポップカルチャーが既存の文化を侵食しているというレッテルが貼られていた1980年代当時、メタル音楽(ヘヴィメタル)も誹謗中傷にさらされていた。

 法廷や議会での歯に衣を着せぬ証言のおかげで、当時は心配性の親ばかりか政治家までもが、メタルの流行を真剣に憂慮し、少年少女の倫理感を破壊し、心に暗い闇を植え付けていると、アイアン・メイデンやメタリカといったバンドに警告を出すほどだった。

 サタンの陰謀と言われることもあったメタル音楽の流行から30年が過ぎた今、かつて激しくヘッドバンギングを行なっていたメタルキッズたちは今どうしているだろうか? 激しい重低音サウンドは、彼らの人生を絶望のスパイラルへと突き落としてしまったのだろうか?

 そんなことはまったくない。

 新しく発表された研究によれば、かつてのメタルファンたちは、別のジャンルを好んだ人たちや現在の大学生に比べて、「幸せな青春時代を過ごし、今ではきちんと世の中に適応している」のだそうだ。
・1980年代のメタルファンは今?

 アメリカ・ハンボルト州立大学の心理学者ターシャ・ホー氏によれば、メタルは聴く人を「性・ドラッグ・ロック」を地でいく危険な生活に堕とすこともある一方で、同時にメタル魂は「ネガティブな結果を防ぐ保護的なファクター」でもあるという。

 彼女が『Self and Identity』に掲載した研究では、377名の成人を対象に、若い頃の体験と現在の成功・幸福のレベルを詳細に質問して、その結果が分析されている。

 被験者のうちわけは、80年代にメタルファン(欧米ではメタルヘッドと呼ばれる)として子供時代を過ごした人、当時他のジャンルを好んで聴いていた人、カリフォルニア州にある大学に通う現役の学生の3グループだ。

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Alexander Fradellafra / Pixabay

・メタルファンは幸せな青春時代を過ごしていた人が多かった

 その分析結果は意外なものだった。

子供時代、自分の趣味を散々罵られていながらも、元メタルファンは他の人たちに比べて、若い頃は幸福だった

 と述べているのだ。それだけでなく、青春時代にやったことについて後悔も少ない傾向にあった。

 一方、メタル以外の音楽を聴いて成長した人たちの一部は、青春を過ごした80代を振り返っると幸福度が低く、やりたいこともやっていないと感じているらしかった。

 当時のパパやママは「あんな音楽けしからん」とか目くじらててていたが、結局のところ全然心配する必要はなかったのだ。


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・音楽の趣味で人生を踏み外したりはしない

 一番重要な発見は、調査対象となったグループ同士で、人生経験や現在の機能について統計的に意味のある違いがなかったということだ。

 このことは「反逆的とみなされた元メタルフリークであれ、そうでなかった人であれ、似たような発達ルートをたどり、大人としての能力を育んでいった」ということを示している。

 ただし、この研究では、80年代と90年代の研究に言及して、「メタルファン(特にグルーピー)は家庭に問題を抱えていることが多かった」らしい証拠があることについても触れている。

 そうした不利な状況にあっても、「一般にメタルファンは、そうでない若者に比べて、自殺や早熟な性体験をしていることが少ない」傾向にあり、「身体や心の問題のために失業する可能性が高いということもなかった」という。

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DarkWorkX / Pixabay

・転落を防いだのはメタルファン同士の絆

 家庭に問題を抱えた彼らが、なぜ道を踏み外すことなく、「中流で、しっかりとした仕事があり、比較的教育レベルが高い」状況を築くことができたのだろか?

 ホー氏が指摘するのは、ファン同士の絆という社会的サポートが重要な保護ファクターになっていたということだ。

 「メタルコミュニティのファンと音楽家たちは同族意識を感じており、気の合う仲間同士で高まった感情を体験する手段」を持っていた。この仲間意識が最終的に彼らをきちんとした大人へと導いたのだという。

 つまり、辛いときがあっても、気の合う仲間が支えてくれることで立ち直ることができるということだ。

 とは言え全員が救われたというわけではない。メタル音楽に傾倒しつつ道を踏み外してしまった人が少なからずいる。


・この研究の問題点

 ただし、この研究には注意点もある。それは、調査対象となったのが、わざわざ研究に参加して、自分の生活を報告してくれた人だったということだ。

 仮にメタルのせいで破滅的な生活を送っている人がいたとしても、そんな人はこの研究に参加などしないだろう。

 まあでも、どんなジャンルの音楽を聴いていたとしても、破壊的な人は一定数いるわけで、破壊的な行動の原因を音楽やサブカルチャーなどに全て結び付けて考えるのは無理があるかもしれない。

 毒にもなるし薬にもなる、それが娯楽なのだから。

References:The Metalhead Kids Are All Right - Pacific Standard/ written by hiroching / edited by parumo
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