《閲読注意!》200年前にあったホンモノの「八つ裂きの刑」とは

まいじつ

《閲読注意!》200年前にあったホンモノの「八つ裂きの刑」とは

昭和の古い映画やドラマなどでは、憎い相手を「あんな奴! 八つ裂きにしてバラバラにしても飽き足らないわ!」などと言う女性がよく出てきたものだが、実はこの八つ裂き、200年ほど前までは世界各国で実際に行われていた処刑方法だったのである。

例えば中世フランスで八つ裂きの刑は、最も重い刑罰であり、フランス国王や王族の命を奪った者、あるいは命を狙った者に対してのみ、執行されていた。

処刑方法はまず、罪人の両手足に頑丈なロープをしっかりと巻き付け、その先端を4頭の馬の馬具にしっかりと固定する。そして死刑執行人の合図とともに、馬を前に走らせ、罪人の体を〝バラバラに引き裂いて殺す〟という、極めて残酷な処刑方法だった。

この八つ裂きの刑で殺された罪人の中で最も有名なのは、サスペンスホラー映画の傑作『オーメン』(1976年)の元ネタではないかともいわれている『ロベール=フランソワ・ダミアン』だろう。

ダミアンは1757年1月5日、当時のフランス国王だった『ルイ15世』を持っていたナイフで刺し、暗殺しようとした。しかし、このときは真冬で厚着をしていたため、ルイ15世はかすり傷程度で済んだという。

ダミアンには後日、八つ裂きの刑が下され『グレーヴ広場』という現在のパリ市役所前の広場に、ズルズルと引き出される。そこには死刑執行人とともに「処刑を見物しよう」と大勢のパリ市民が集まっていたそうだ。

超残酷過ぎる処刑法に観衆は卒倒…

しかもダミアンには「簡単に殺すな!」という、ルイ15世からの厳命が下っていた。まず、ルイ15世を刺したときにナイフを持っていた右腕がタイマツで念入りにあぶり焼かれ、その後は大型のペンチで全身の肉をビチビチと引き千切られ始める。

当然、彼は絶叫し、大量の血が全身から飛び散った。さらに叫び声を上げる彼の口が、死刑執行人により強制的にこじ開けられ、その中にドロドロに熱した「鉛と油」がドボドボと注ぎ込まれたという…。

不幸なことにダミアンはこれでも死に切れなかった。彼は胃に注ぎ込まれた鉛と油を吐き出しながら大声で泣き叫び、その悲惨な姿を観衆が間近で見て、卒倒する者が続出したそうだ。

後は上で述べられた通り、彼は4頭の馬によって体を八つ裂きにされるはずだった。が、このときに手違いが起きる。何と何度引っ張っても中々手足が千切れず、彼は全身の血と肉と骨を飛び散らせながら、長い時間苦しみ抜いて息絶えたというのだ。

この様な残酷な刑を命じたルイ15世は、その後どうなったのだろう? 彼は対外戦争に負け続け、国家財政を完全破綻させた「フランス史上、最も愚かで最低の君主」と言われたが、晩年は重い天然痘にかかり、全身が汚物の様なひどい潰瘍に覆われたまま、臭いウミにまみれて長い間苦しみ抜き、64歳で死んだという。

これはもしかすると「ダミアンの666の呪い」だったのだろうか。もしそうであるならば、彼は最後の最後で暗殺を成功させたことになる。

【画像】

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