サンスポ水戸正晴の「絶対万券」論「ダンツキャッスル能力開花」 (1/2ページ)
3歳馬によるダートの重賞、ユニコーンSが今週の東京競馬場のメインだ。
GI戦のステップレースという意味合いはなく、重要視されるべき重賞ではない。したがって、ここで勝ち負けして大きく羽ばたき、ダート界を引っ張っていくような馬も、そう多くは出ていない。
それでも、これだけ将来を期待されるダート自慢がそろうと注目せざるをえない。どのあたりまで出世するか値踏みするだけでも楽しいもので、いずれにせよ、ここで勝ち負けする馬は、ダート界を背負う候補の1頭として新しい一歩を踏み出すことになるのは間違いない。
青竜Sの1、2着馬、デュープロセスとデアフルーグは、その有力候補と言っていい。前者は目下4連勝と快進撃中だが、この馬よりも後者のほうが、より注目株とみるべきだ。
デアフルーグは前走で初めて東京コースを経験。最内枠を引いたこともあり、道中は内で包まれリズムに乗れず、かなり苦しい競馬を強いられた。それでも直線半ばで視界が開けると、メンバー中、最速の上がり脚でデュープロセスにクビ差まで肉薄してみせた。
なかなかできる芸当ではなく、それだけに鈴木伸調教師は、こう言って自信をチラつかせる。
「まだまだ体全体が緩く、本当によくなるのは秋以降。そんな状態で結果を残してきたのだから、力は確か。兄姉と違って素直で乗りやすく、東京のマイル戦を一度経験したことは大きい」
1週前の追い切りでは、いっぱいに追う2頭のパートナーを馬なりでアオッて、気を吐いていた。ということで、デアフルーグが最右翼と言っていいが、そうであっても穴党としては別の馬に目をつけてみたい。
イチオシしたいのは、ダンツキャッスルである。
前走、500万下(現1勝クラス)の平場を勝ち上がったばかりだが、その走破時計は速く、手綱を取った幸騎手は「追えばもっと時計は速くなっていた。これからが楽しみな馬」と、手放しのほめようだった。
確かに同じ日の同じ舞台(京都ダ1800メートル)で行われた古馬500万下の勝ちタイムを、コンマ8秒も上回るものだった。