安里麻里「高良健吾さん演じる、好きな女性のベッドの下に潜り込む男の話」麻美ゆまのあなたに会いたい!〔前編〕 (2/3ページ)

日刊大衆

あれがまた新鮮で、高良さんの声がとても心地いいんですよね」

安里「私がこだわったポイントにものすごく気づいてくれていて、うれしいです」

ゆま「主人公の気持ちにさせられるから、物語が進むにつれて、どんどん主人公がかわいそうに思えて、助けてあげたくなるんです」

安里「主人公は家でも学校でも、いるんだか、いないんだか存在を無視されて、扱われてきた人間。学生時代はクラスメイトに名前すら呼ばれたことがない……。とても悲しい話ですが、実は世の中には、こういう人がけっこういるんじゃないかと思うんです。かくいう私も小学生の頃は超ネクラで、いつも独りぼっちでしたから(笑)」

ゆま「きっと誰にでも、ああいう部分はあると思うんです。この映画では、主人公が大学生のとき、たまたま後ろの席にいた佐々木千尋に“三井くん”と呼ばれただけで感動して、好きになってしまう。たった一度、一緒にコーヒーを飲んだだけなのに有頂天になって、彼女のすべてが輝いて見えるんですよね」

安里「でも、実際、彼女は彼に興味があるわけでもなくて……悲しいですよね」

ゆま「はい。だから、この男を気持ち悪いとは思えないんですよね。決して悪い人じゃないし、自分の欲望もあるだろうけど、彼女のために何かをしてあげたい気持ちが強いんですよね。ただ、人とコミュニケーションを取るのが下手なだけなんだろうなって」

■バスタオルがはだけた瞬間、思わず!

安里「はたから見るだけで簡単に、いい人か悪い人かなんて線引けないですよね。この主人公に限らず、世の中の見え方って、みんな不安定だと思います。私は、簡単に線を引くことが嫌いでして。だから、こういう映画を作りたかった」

ゆま「なるほど」

安里「ついて行っていいのか分からない、危うく不安定に見える人間を描きたかった。それが日々、目にしている現実だと思うから。でも、よくよく目を向けると、そこには一人の人間の純真な姿が隠れていたりするもの。

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