恐怖の絶景ポイント。巨大穴の断崖絶壁の縁に建つフランス、ボズールの古代の町

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恐怖の絶景ポイント。巨大穴の断崖絶壁の縁に建つフランス、ボズールの古代の町
恐怖の絶景ポイント。巨大穴の断崖絶壁の縁に建つフランス、ボズールの古代の町

merion333 / Flickr

 フランス、アヴェロン県にある緑に覆われた馬蹄型の渓谷の断崖絶壁には、理屈でははかれない圧倒的な景観を密かに隠している。

 その深さは約92メートルもあり、ここから身を乗り出す気にはとてもなれないが、このボズールの断崖の下にはなにか魔法のようなものがあるに違いない。

 この古代の町は、1000年もの間、巨大な穴の際に今にも転げ落ちそうな危うい状態でたっているのだ。

Aveyron vu du ciel - Bozouls - Parrot Bebop 2 Drone - monaveyron.photo


・レアな絶景ポイント、ボズールの穴

 ボズールは、フランスが誇るもっともレアな絶景ポイントのひとつである。

 頭から真っ逆さまにダイブしていくような町の深淵へと入り込み、時を忘れて石畳の道を彷徨い、廃城のドアを叩くことができる。

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True_colorsさん(@true_colors_travel)がシェアした投稿 - 2019年 2月月18日午後1時32分PST



・古代からある城壁町

 ボズールのことを理解するには、アヴェロン地方の周辺について知っておくといい。パリから日帰りで往復できるくらいの近さだけでなく、南へ行けばコートダジュール、ニースといった観光地にも足を伸ばせる。

 大きく曲線を描く、深くえぐれた静かな峡谷のまわりには、うねる黄金の野が地平線の彼方までどこまでも続いているようだ。

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flickr/syl.lemouzy

 さらに、テンプル騎士団のかつてのたまり場でもあり、昔からスペイン北西のサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう重要な巡礼ルートにもなっている。静けさに包まれているが、明確な役割も兼ね備えた雰囲気にも満ちている。

 ボズールは、鉄器時代に城壁町として始まった。つまり、ここは守られた古代の居住地の中心だったことを意味する。

 発掘されたボズールの神をかたどったケルト風彫刻や、家屋を囲む巨大な石の壁の遺構から、今もなお、先史時代やローマの歴史の誇りの痕跡がうかがえる。


・高所恐怖症でなければ絶景の穴場ポイント

 今日、ボズールにはおよそ3000人が住み、直径400メートルもあるボズールの巨大穴は誰でも自由に眺められる。

 穴の際にあるカフェでエスプレッソを味わって、通りを散策したり、100メートルも落ち込んでいる断崖の下をのぞき込んでもいい。ただし、失神しないように。

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flickr/Chauvier Geerard

 高所恐怖症でなければ、この馬蹄形をしたの巨大穴の深い懐に足を踏み入れてみよう。埋もれたようにその名残をとどめている、ふたつの塔が見えるだろう。9世紀、近隣でもっとも大きな都市、ロデーズの伯爵の城があったのだ。

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flickr/Mateusz MARCZYK

 崖の底を勢いよく流れるドゥルドゥー川や古い遺跡のほとりでピクニックできるし、ボリーと呼ばれるこじんまりした石の建造物を見ることもできる。これは、羊飼いたちが嵐を避けたり、道具をしまっておくために使ったものだ。

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Mairie de Bozoulsさん(@bozouls12)がシェアした投稿 - 2019年 4月月4日午前6時54分PDT


・住みたい人の為の物件案内

 古い水車小屋が売りに出ている。部屋は7つあり、そのうち3つは寝室で、素敵なブルーの鎧戸がついている。不動産業者によると、町一番の優良物件のひとつで、ちょっと苦労して手直しすれば、十分に使えるという。

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passaga-immobilier

・歴史のある中世の教会

 町の中心にある中世の教会の中に入ってみる。この聖フォスト教会は、普通の教会とは少し雰囲気が違うかもしれない。

 この地域の特徴である赤砂岩の壁がキャンドルの光でピンク色に輝いている。12世紀、キリストへの愛を否定するより、大釜で仲間とともに釜茹でにされることを選んだ13歳の少女に敬意を表して建てられたという。

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・古代のエネルギーが充満するパワースポット

 ボズールの穴では、古代のエネルギーにひたることができる。

 かつてのガリア族が見たのと同じ光景を目の当たりにできる畏怖の念をいだき、コンポステーラへの巡礼路に建つ家々の入り口にとりつけられたサンティアゴの貝殻を探すのも趣深い。これは、何世紀もの間、"お入りなさい、疲れた旅人よ。しばらく休んでおいきなさい"という巡礼者たちを歓迎するメッセージを見てすぐわかるようにしたものなのだ。

 ボズールに滞在してみたいと思ったら、巨大穴を眺められる最高の天空の宿がある。

 それは中世の廃城で、19世紀には農家として使われていた。10人家族を収容できるくらい広く、1泊200ドル(2万1千円くらい)。

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Linda and Todd / AirBnB

 所有者自身が使っていたアンテイークな家具がしつらえられていて、17世紀の丸天井の寝室や、広々とした気持ちのいい庭がある。もちろん、美味なコーヒーを飲みながら眺めのいい朝を迎えることができる。

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Linda and Todd / AirBnB

References:The French Town on the Edge of a Giant Hole/ written by konohazuku / edited by parumo
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