〈目からウロコの健康術〉「少量飲酒は体にいい」は本当? 専門家が教える賢く飲むコツ (3/3ページ)
飲酒で顔が赤くなる人は、アルコールの分解がスムーズに進まず、発がん性物質であるアセトアルデヒドが体内に蓄積しやすい傾向にあり、食道がんなどさまざまな病気が起こりやすくなるためだ。
一方、高齢者は若い人より身体機能が劣るので、飲酒によって転倒などのケガが起こる可能性が高くなってしまう。
このように1日における酒の「ほどほど」を知ったら、これを1週間の量に換算して自分なりに飲む量を調整するといいだろう。ビールをよく飲む人はまず頭の中でロング缶を7本並べてみる。そして、曜日に応じて分配するといった具合だ。吉本准教授も専門外来などで飲酒のアドバイスをする際は、週単位での調整を勧めているという。
ただし、飲まない日を増やしたことで、飲む日にたくさん飲んでいいわけではない。短時間での飲酒量(ビンジ飲酒)が増えると、急性アルコール中毒やケガ、事故を起こす可能性が高くなってしまうからだ。世界保健機関(WHO)は、1日の純アルコール量が60グラムを超えないよう推奨している。
吉本准教授らのグループが、国内の大学生2177人を対象にビンジ飲酒に関する調査を行ったところ、1年間に1回以上ビンジ飲酒をしていた人は、していなかった人に比べてケガを起こす確率が25・6倍高かった。
この調査でのビンジ飲酒の定義は世界的な基準にならい、「2時間での純アルコール量が男性50グラム以上、女性40グラム以上」とした。ビールを飲む男性であれば、飲む量が多い日であっても2時間でロング缶2本に抑えたほうがいいことになる。
健康を維持して長生きすることが、万人にとって幸せなわけではないが、関心のある人は自分が日頃、どれくらい飲んでいるかを確認し、「ほどほど」と比較して調整してはどうだろう。
健康診断で肝機能や尿酸値などの異常を指摘されたり、飲酒量が普段よりも増えてきたりして、酒との付き合い方を真剣に考えた方がいい場合は、内科医に相談するのも1つの手だ。
吉本准教授は「禁煙外来や睡眠外来のように、お酒の悩みを身近に相談できる文化をつくりたい」と話しており、そんな時代もそう遠くないうちに来るかもしれない。