『なつぞら』清原果耶サプライズ登場の裏にある“NHKの思惑”

日刊大衆

『なつぞら』清原果耶サプライズ登場の裏にある“NHKの思惑”

 広瀬すず(21)がヒロインのなつを演じる連続テレビ小説なつぞら』(NHK)が、急展開を迎えた。長く行方が分からなかったなつの妹、千遥が登場したのだ。千遥役には若手人気女優の清原果耶(17)が抜擢されたのだが、これが事前告知なしの“劇中でのキャスティング発表”というサプライズ演出だったこともあり、ニュースなどで話題になっていた。なぜこのような演出がなされたのだろうか。7月2日の放送を振り返り、考えてみたい。

 北海道の柴田牧場を、なつの妹、千遥が訪れる。しかし「なつには会いたくない」と、千遥の心情は複雑な模様。富士子(松嶋菜々子/45)は千遥のことをこっそりなつに知らせ、なつは兄の咲太郎(岡田将生/29)と一緒に柴田牧場に電話をかける。なつからの電話にとまどった千遥は、つい切ってしまうが、あらためて電話をかけ直し……。

 幼い頃に生き別れた兄妹の再会に、感動が広がった。公式ガイドブックにもホームページにも、千遥役の情報はまったくなく、清原が抜擢されたことはトップシークレットだったようだ。NHKとしても最大限のサプライズで清原を迎えたわけだが、17歳の若手女優にここまでの演出をした理由とは?

 清原果耶の名前は、ドラマファンより映画ファンのほうが、知っている人は多いだろう。神木隆之介(26)主演の映画『3月のライオン』の川本ひなた役、広瀬すずがヒロインを務めた『ちはやふる-結-』の我妻伊織役と、どちらも清廉な学生服姿が記憶に新しい。

 ほかにも若手女優の登竜門として知られる全国高校サッカー選手権応援マネージャーを務めるなど、若いながらもすでに大きな存在感を放っている。だが、これらのヒット映画出演の前に、彼女をブレイクさせたのはNHKだったのだ。

■清原果耶はNHKの秘蔵っ子

 ファッション誌『nicola』(新潮社)の専属モデルとして活動を始めた清原果耶が、女優デビューをしたのが2015年下半期の朝ドラ『あさが来た』だ。波瑠(28)がヒロインを演じたこの作品で、清原は、あさの姉、はつ(宮崎あおい/33)の女中という大役を務めた。亀助(三宅弘城/51)との年の差婚など見せ場もたっぷりで、ドラマデビュー作にして彼女の出世作となった。

 その後も、NHKの肝いりで製作した大河ファンタジー『精霊の守り人』シリーズでは、綾瀬はるか(34)が演じたヒロイン、バルサの少女期を演じて注目された。昨年は初主演ドラマの『透明なゆりかご』も話題に。産婦人科を舞台にしたドラマで、重い問題と対峙する難しい役だったが、このドラマは文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門大賞ほか、さまざまな賞を獲得するなど評価された。彼女をここまで有名にしたのはNHKだと言ってもいい。

 実は清原はこの夏、NHKBSプレミアムの時代劇『蛍草 菜々の剣』、NHKのスペシャルドラマ『マンゴーの木の下で〜ルソン島、戦火の約束〜』に主演する。まるで今回の『なつぞら』への出演がドラマの番宣のように思えてしまうが、これは手塩にかけて育てた女優に対するNHKの優しさとも思える。

 どちらにせよ、記念すべき朝ドラ100本目の『なつぞら』に、注目を集める形でいち押しの女優を起用できたのだから、NHKとしては大成功だろう。サプライズな登場が話題となった清原だが、『なつぞら』での演技も印象的なものだった。未来の大女優として、これからの活躍にも注目したい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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