スマホを使いすぎると、情報の意味を分析したり、理論的に考える能力が一時的に低下する(米研究)
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スマホはとにかく便利だ。通話やメッセージの送受信はもちろん音楽を聴くこともゲームをすることもできる。写真や動画撮影することもできるし、ニュースを見たり、映像を見たり、漫画を読んだり、SNSで繋がったりと、いつまででも見れいられる。だからこそ、その影響が懸念されているのだ。
『Applied Cognitive Psychology』に掲載された研究によると、スマホを使っていると情報の意味を分析したり、論理的に考えたりする力が低下してしまうそうだ。
だが幸いなことに、副作用は一時的なものであるらしい。
・長時間のスマホ利用で見られる問題解決能力とリテラシーの低下
アメリカ・サザン・ニューハンプシャー大学のピーター・フロスト氏らの研究チームは、3つの研究を行い、スマホが認知機能に与える影響を検証した。
いずれの研究でも、まず被験者である大学生のスマホに追跡アプリをインストールし、スマホの利用時間が計測された(ちなみに、その結果はじつに1日に5時間半と、起きている時間の3分の1にも達していた!)。
最初の研究では、大学生105名を対象に横断的調査を実施。ここから大学生のスマホ利用時間と、目先の欲求を我慢する力および社会的問題解決の能力低下とに関連性があることが判明した。
2つ目の研究では、50名の大学生を2グループに分け、1つのグループにはスマホを1日2時間以上使わないよう指示、もう片方のグループには5時間以上使うよう指示し、この条件で1週間過ごしてもらった。
それから思考能力のテストを受けてもらうと、後者のスマホを長時間使うグループでは、情報の意味を解釈し、分析する能力が低下していることがわかった。いわゆるリテラシーの低下である。

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・ただし、スマホが認知能力に与える影響は一時的なもの
最後の3つ目の研究は、2番目の研究と同じような内容だったが、1週間経過後に、スマホをあまり使わない4週間のインターバル期間を設けてみた。
すると、こちらでもやはり長時間スマホを利用していたグループでは意味の解釈・分析能力が低下するという結果が再現された。
だが、その効果は4週間後にはほとんどなくなってしまい、最後にはスマホの利用時間が長かったグループと短かったグループとの差異は消えてしまった。
つまり、スマホが認知能力に与える影響は一時的だったということだ。
ずっとスマホを利用することが、脳の長期的な神経可塑性に影響を与えるかどうか——特に長期的目標のために目先の欲求を我慢する能力と忍耐強く思考する能力との関連を調査しました。ですが、長期的に影響を受ける認知能力はほとんどありませんでした(フロスト氏)
・一部の認知能力は向上していたことも判明
またかなり意外な事実も判明した。それは情報の真贋を判断する力など、一部の認知能力はスマホによってかえって向上していたということだ。
情報があふれ、中にはフェイクニュースや人を騙そうとする情報もある現代社会では、この能力はとても重要なものだろう。
じつは古代ギリシャの哲学者プラトンは、本が登場したときに、そればかりに頼ると人の記憶力が台無しになってしまうと主張していたそうだ。
同じ意見はラジオ、計算機、テレビ、メール、インターネットが登場したときにも聞かれた。基本的に人は新しいテクノロジーに対して恐怖を抱くものなのだ。
たしかにスマホを過度に利用すれば認知機能に影響があるのかもしれない。だが、現代社会においてプラトンの時代のような生き方をすることはできない。
いたずらに新しいテクノロジーを恐れることなく、それでいて過度に依存することなく、その時代の暮らしにふさわしい活用をすればいいのかもしれない。ようは道具は使いようということだ。
References:Increasing smartphone usage temporarily diminishes the ability to interpret the deeper meaning of information/ written by hiroching / edited by parumo