7月22日は、芸能史に刻まれる1日となった。吉本興業・岡本昭彦社長による「芸能史上最悪」とも評された5時間半にも及ぶ「グダグダ」の記者会見。芸能ライターが言う。

「会見場に社長1人で現れるのかと思いきや、吉本興業ホールディングス法務本部長の小林良太弁護士、さらには藤原寛副社長、東京マネジメントセンター長の中村聡太氏を脇に従えて登壇していました。さらに藤原副社長は、岡本社長について『本当に笑いに愛情をもって、責任をもって、厳しいけど愛のある社長だと思っています』と謎のヨイショ。また、記者からの質問に対して原稿に目を落としたまま聞いていたり、答えに窮したら、『お前答えろ』とでも言うように腕をあげて指示をするところなどは、“パワハラ社長の片鱗”が垣間見えました」

　そんな岡本社長は、前々日に宮迫博之が田村亮とともに開いた会見の中で告白した、自身が言ったとされる「テープ回してないやろな」発言について、最初、「（関係者を人払いして）ボク1人と彼ら4人で話した時」に冗談で言ったと話した。ところが、これを受けて発言した藤原副社長は、「自分が4人の芸人と話していた時に岡本社長はドアを開けて入ってきて「テープ録ってるんちゃうやろな」みたいに言ったと証言。さらにその時の現場の空気を「全然、ウケなかったんですけど」とフォローしていた。しかし、翌23日放送の「スッキリ」（日本テレビ系）では司会の加藤浩次が、「昨日、（田村亮に）聞いたんですけど、その場に藤原副社長がいなかったらしいですよ」と明かしたのだ。

　さらに、岡本社長も事実と違うことを言っているのではないかという疑惑が生じるのが、「静観」という言葉を巡る矛盾だと、前出の芸能ライターは、こう指摘する。

「まず、闇営業問題について謝罪会見を引退する覚悟で開きたいと訴えた宮迫に会社側が『静観でいきましょう』と言ったとされる疑惑に対し、会見では社長、副社長ともどもそういう言葉は使っていない旨を言及していました。しかし、会見前日の21日に緊急生放送された『ワイドナショー』（フジテレビ系）で、10時33分ごろでしたが、松本人志も会社サイドに『会社としてはどうするの？て聞いたら、“ちょっと静観します”というようなことを言われたので、だったら吉本にいられないと言った』と話していました。やはり会社側は『静観』という言葉を使っているように、事実上、岡本社長に会見を開かせた松本は述べているんです」

　また岡本社長は、加藤浩次が「スッキリ」の中で、現体制なら吉本を辞めると発言したことを記者に聞かれた際、「ミーティングします」と述べていた。芸人と会社はファミリーだと強調する会社が、決死の覚悟で進退を述べた加藤に対してビジネスライクな「ミーティング」という言葉の選択をすることにも矛盾を感じてしまう。地域行政や町おこし、教育界にまで進出しようとしている企業のトップとしては矛盾だらけだったと言わざるを得ないのである。

（魚住新司）