純喫茶の”純”っていったい何が純なの?カフェと喫茶店の違いも紹介します!

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純喫茶の”純”っていったい何が純なの?カフェと喫茶店の違いも紹介します!

最近、地元のカフェ巡りにハマっています。近年では、蔵を改装して作ったお洒落なカフェや、猫やフクロウなどと戯れることのできるカフェなど、単なる飲食を楽しむだけではなく空間やスタッフ、他のお客さんとのコミュニケーションを楽しむお店が増えてきましたね。

その一方で、店内にクラシックやジャズが流れていて、ブレンドコーヒーが500円くらいするような、昔ながらのお店が随分と減りました。

ところでこのカフェ、「喫茶店」とどう違うのでしょうか?

法律で区別されている喫茶店とカフェ

実は喫茶店とカフェは明確に法律で区別されているんです。カフェを開業する場合、お店側は「飲食店営業許可」を取得する必要があります。飲食店営業許可を取得することによって、店舗でのアルコール提供と加熱以外の調理による料理の提供ができるようになります。

その一方で、喫茶店を開業する場合に必要なのは「喫茶店営業許可」です。飲食店営業許可より取得に多少ハードルは下がりますが、アルコールの提供はできず、調理も単純な加熱を行ったもののみを提供することができます。

つまり、カフェと喫茶店の違いは、飲食店営業許可を得ているのがカフェ、喫茶店営業許可を得ているのが喫茶店、ということになります。

とはいえ、飲食店許可を取得しながらも、喫茶店という看板を掲げている店舗もたくさんるようですが・・・。

「純喫茶」の”純”って何?

さて、喫茶店の看板にときどき「純喫茶」と出ていることがありますが、この「純喫茶」の“純”って何なのでしょうか。気になりませんか?この“純”の意味も説明しておきます。

もともと「純喫茶」とは、酒類を扱わない、純粋な喫茶店のことをいいます。昭和初期になると、酒類を扱い、女給による接客を伴う喫茶店が登場し、人気を博していた時期がありました。

昭和初期を舞台にしたドラマに「私、カフェで女給やってるの」なんていう女性が登場することがあります。こうしたお店のことを「特殊喫茶店」と呼び、それに対して、コーヒーや名曲を売り物にした本来の意味の喫茶店が「うちは純粋な喫茶店です!」という意味を込めて、「純喫茶」とわざわざ名乗るようになりました。

高井久尚さんの書いた『カフェと日本人』によれば、現在日本国内にあるカフェの店舗数は70454店もあるそうで、これはコンビニの数の1.4倍もするそうです。こうしてみると、いかに日本人が「お茶をする」習慣が定着しているのか、よくわかります。

そういえば、日本での喫茶の風習は、少なくとも鎌倉時代までさかのぼりますし、世界で最初の缶コーヒーやインスタントコーヒーを作った人も、日本人でしたね。

特許問題、資金不足…日本人によって発明された世界初のインスタントコーヒーと缶コーヒーのその後

多くの日本人に愛され、日本文化の中にうまく定着しているカフェ文化。今後もどのような進化をしていくのでしょうか。目が離せません。

参考

「純喫茶とカフェの違い」『コーヒーをもっと趣味に』 高井久尚 『カフェと日本人』(講談社現代新書 2014)

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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