新元号制定 実は選定段階の候補の中に「令和」はなかった? (2/2ページ)

新刊JP

この作業の末に残った6案と、すでに亡くなった学者の案(縁起が悪いとして破棄される)を除いた70案程度の「不採用リスト」に安倍首相が目を通したのが2月末だった。

おもしろいのは、このとき提示された案に、どうやら「令和」は入っていなかったらしいという点だ。
安倍首相は、かねてから「元号の出典は日本で書かれた書物がいい」(平成以前の日本の元号はすべて「書経」「易経」など中国の古典からとられてきた)という希望を示していた。そのため、室町時代以前の日本の古典に由来する案も候補になっていたが、それらを見た時の反応は鈍いものだったようだ。

そのため、事務方は複数の学者に「追加案の考案」を依頼しはじめたが、その中にも首相が気に入るものはなく、「不採用リスト」から「英弘(えいこう)」という案を復活させた。また「天翔(てんしょう)」も気に入ったそうだが、これは万葉仮名であるために採用されなかったようだ。

候補案が決め手に欠ける中、さらに別の候補を出す必要がある必要があると考えた事務方は、「天翔」を考案した文学者・中西進氏に追加の依頼を行った。これが3月22日。すでに発表の10日前。そこで考え出された追加案の中に含まれていたのが「令和」だったという。

たかが元号。されど元号。
「令和」という新元号が発表されるまでの間に、驚くほどの紆余曲折と関係者の奔走があったことが本書からはうかがえる。

特に新元号発表の当日を追った章は必見。新時代の幕開け役を担った人々の奮闘は興味を引くものにちがいない。

(新刊JP編集部)

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