松本人志や島田紳助が“一目置く”男・大崎洋会長の「経営手腕」とは? (2/2ページ)

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後に、島田紳助氏は新たな潮流を作りはじめていたダウンタウンの漫才を見て、“俺らの時代は終わる”と痛感し、紳助・竜介の解散を決断したとも語っています。つまり、大崎氏は誰よりも早く10年後、20年後のお笑い界を背負って立つダイヤの原石を発掘したと言えますね」(前出・テレビ誌ライター)

 さらに、大崎氏も設立に関わったとされるNSCもまた吉本興業にとっては大きなビジネスの転機をもたらした。

「設立当初はそれほどの大金を月謝として受け取っていたわけではありませんが、現在は一律で1人につき40万円の入学金が必要になります。逆に言えば、40万円を支払い、1年間吉本のNSCに在籍していれば、誰でも晴れて“吉本興業所属芸人”となることができますが、入学時に1000人居たはずのスクール生は1年後にはおよそ10分の1ほどに減少するとされています。これは過酷な競争などが理由ですが、吉本側は入学時に40万円の先払いとローンを組ませる事前決済のシステムを取っている為、極端な話、何人飛ぼうが金銭的なダメージはありません。また、今や大阪と東京だけでなく、名古屋や広島、沖縄、仙台などにも養成所を開校しており、このNSC案件だけでも相当な収入を得ていることになります」(前出・テレビ誌ライター)

 かつては、師匠が物理的に抱えられる人数のみを弟子に迎え入れる養成システムが主流だったが、一度に大量のスクール生を集められるNSCの登場により、よもやのビッグビジネスとなっただけでなく、1980年代の短すぎた漫才ブームの元凶でもある“芸人の弾数不足”にも対応できる環境が出来上がったといえる。そして、その記念すべき1期生にはダウンタウンがいたのだ。

 吉本興業としての社会的立場を上昇気流に乗せ、2人のヒーローを生み出し、そして、今やどの芸能プロダクションも採用する学校制度を普及させる。これらの功績を成し遂げた“大崎洋”という男は吉本にとっては欠かせない人材ということだろう。

「大崎さんが辞めるなら、俺も辞める」。そんな発言で多くの芸人をザワつかせた松本人志だが、そのコメントの裏には大きな恩義の他にも、圧倒的な経営手腕に対する畏怖の念も含まれていたのかもしれない。

(木村慎吾)

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