森の中から救出され、負傷した足の切断を余技なくされた犬。同じ境遇を持つ退役軍人が家族として迎え入れる
image credit:Humane Society of Dickson County
森の中から保護され、負傷していた右後ろ足を切断する羽目になってしまった犬。しかし、辛い状況にいたにも関わらず、犬は周りを笑顔にせずにはいられないほど元気いっぱいで幸せそうな様子を見せていた。
そんな犬に強く惹かれたのが、過去の戦争で片脚を失った退役軍人の男性だった。彼は子犬のことを知ると、子犬が治療を受けている動物病院へ毎日見舞いに出向き、ついに引き取った。
犬に強いシンパシーを感じ取った男性は、これから犬とともに、負傷した人々を癒し、サポートしていきたいと語っている。
Puppy with missing leg adopted by amputee
・森にいた子犬、足を損傷した状態で発見される
アメリカのテネシー州バーンズのジョンソン・クリークで、釣りをしようと森に入った人たちが一匹の子犬を発見したのは、6月2日のことだった。
まだ生後6か月だった茶と白の子犬が、なぜ森にいたのかは謎だが、右足をひどく損傷していた。保護されたその犬は、ディクソン郡にある動物愛護協会へと連れて行かれ、動物病院で治療が施されることになった。
愛護協会のスタッフは、このオス犬を「スクーター」と名付けた。
・右足を切断を余儀なくされるも、周りを笑顔にするスクーター
スクーターの治療にあたった動物病院のジェレマイア・ウォジナロウスキー医師は、スクーターがなぜ右後ろ足を損傷していたのか、はっきりとした理由はわからないと述べた。
犬が自分で噛んでこうなったのかもしれないし、何かにひっかかってなってしまったのかもしれません。
ただ、車などに轢かれた痕ではないと言えるでしょう。それでも、この犬にとって、何か酷いことが起こったというのは間違いないことです。
左の後ろ足も、森の中にいたためか、ダニやノミに覆われていたので、右足同様細心の注意を払う必要があります。
最悪の場合、車椅子を使用しなければならないことになるかもしれないとも考えましたが、まだ若いので老犬よりは回復も早いと期待しています。
損傷が酷い足は、おそらくかなりの痛みを伴ったであろう。しかし、スクーターは終始愛嬌を振りまき、穏やかな態度で従順に治療を任せていたそうだ。
結局、左後ろ足は治療を進めて経過を見ていくことになったが、やはり右後ろ足の切断は避けられなかった。そんな境遇となってしまったスクーターに、新たな引き取り手が現れた。
・足を切断した経験を持つ元軍人が飼い主に名乗り出る
スクーターを保護していたディクソン郡の動物愛護協会のもとへは、スクーターが早く元気になってくれるようにとメッセージが書かれたカードや、寄付がたくさん届けられた。
写真とともにその喜びをフェイスブックに投稿したスタッフは、「スクーターは、尻尾を振ってとてもハッピーな様子。小さいのにかなりのファイターです」と感心の言葉が綴られていた。
7月25日の更新で、ついにスクーターに里親が見つかったことを告げられた。
スクーターの新たな飼い主となったのは、ジョシュア・ファーガソンさんという男性だ。彼は湾岸戦争中にイラクで片脚を爆弾で負傷し、切断した経験を持つ退役軍人だった。
スクーターのことを知ったファーガソンさんは、スクーターが治療を受けていた動物病院に毎日見舞いに訪れていたという。
・ゆくゆくは、スクーターをセラピー犬として訓練
改めてスクーターの里親となったファーガソンさんは、メディアの前でこのように語った。
この犬は、足が3本しかないことに周りが気付かないほど、いつもハッピーで喜びに溢れています。
どんなに悲劇的なことが起こっても、人生はまだこれからだよと思わせてくれて、みんなを笑顔にしてくれる存在なのです。
3本足のスクーターに同情はいりません。必要なのは愛情だけです。私たちも、スクーターの悲観していない姿に救われているのです。
不慮の事故で、片脚を失うという同じ経験をしたファーガソンさんとスクーター。彼らは初めて出会った時から、同じ“ファイティング・スピリット(不屈の精神)”を感じていたようだ。
ゆくゆくは、スクーターと共に、四肢を失った人々へのサポートに役立ちたいとファーガソンさんは話している。
References:Liftableなど / written by Scarlet / edited by parumo