「第91回夏の甲子園」堂林翔太擁する中京大中京を追い詰めた関西学院 (2/2ページ)

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 こうなれば試合は中京大中京ペース。関西学院にもう一度試合をひっくり返す力は残っていないと思われた。しかし、そんな関西学院を後押ししたのが、地元の代表校を応援する甲子園の大歓声だった。その雰囲気に飲み込まれたのか、堂林は先頭の2番・窪大介に四球を与えてしまう。続く3番・山崎に簡単に犠打を決められると、4番・高馬啓城にライト前へ運ばれ、1死一、三塁とさらにピンチ拡大。そして、ここで打席に入った5番・黒木秀太にレフトへの犠牲フライを打たれ、土壇場で追いつかれてしまったのである。

 なおも堂林は2本の内野安打を許し、2死満塁の大ピンチを背負ってしまった。それでも、ここで次打者を中飛に打ち取り、勝ち越し点を許さなかったのが、この大会、チームを優勝に導いた堂林の真骨頂だったと言える。

 そして、唐突に幕切れが訪れる。その裏1死から打席に入ったのは、この日、ここまで3安打と絶好調の3番・河合。その河合がレフトスタンドにサヨナラソロを叩き込んだのだ。これこそが強豪校が持つ真の底力であった。逆に大番狂わせを演じ損なった関西学院。もし、この試合に勝利していれば、この大会の“台風の目”となっていたかもしれない。

 こうして思わぬ伏兵に苦戦しながらも、接戦を制した中京大中京はこの後、危なげなく勝ち進み、みごとに43年ぶり7度目となる夏の甲子園優勝を果たすこととなるのである。

(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=

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