「第80回夏の甲子園」和田毅擁する浜田と森本稀哲擁する帝京の激闘! (2/2ページ)

アサ芸プラス

帝京の2番手・安部宏嗣を攻め、2安打と四球で1死満塁と勝ち越しのチャンスを作ると、5番・鍛冶畑裕昭の押し出しの死球で執念の勝ち越し点を奪ったのである。あとはこの1点を和田が守るだけだった。帝京打線に最後までひるむことなく立ち向かう。最後の打者・比佐康行の打球が力なくサード・山岡直哉の前に転がり、一塁へ転送された瞬間にようやくの笑顔。そして左手を突き上げ、勝利のガッツポーズ。強力打線相手に被安打5。夏の甲子園では浜田を初の、そして島根県勢としては10年ぶりの8強に導く渾身の力投であった。

 実はこの1年前の夏、和田は2年生エースとして甲子園の土を踏んでいた。だが初戦の秋田商戦で9回まで2点リードしながら突如崩れて、最後はみずからの押し出し四球で悪夢の逆転サヨナラ負けを喫してしまう。その苦い経験が和田を成長させていたのである。9回2アウトになっても、「守りに入るな」と何度もつぶやいていた。その強気の姿勢が呼び込んだ勝利。1年前に自分を泣かせた押し出し四球が、今度は敵の押し出し死球で笑うというのも野球の神様の粋なはからいというものか…。

 この翌日に行われた準々決勝で浜田は延長10回の激闘の末、豊田大谷(東愛知)の前に3‐4で惜敗。その後、和田は早大へ進学し、さらに実力をつけ東京六大学最多となる476奪三振をマーク。福岡ダイエーでは新人王、日本シリーズ胴上げ投手、そしてWBC代表、メジャー入り、福岡ソフトバンク復帰…と、日本を代表する左腕となったのである。

(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=

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