テリー伊藤対談「西郷輝彦」(4)また御三家集合の姿を見たいですよ (1/2ページ)
テリー 2年前に前立腺ガンの再発を公表されていますが、最近の体調はいかがですか。
西郷 おかげさまで、すごくいいです。ガンが骨に転移して、ステージ4なんですけれど、数値も驚異的に下がって、自分でも「あれれ?」と思うほどです。
テリー 日常生活には支障がない感じですか。それはよかった。
西郷 だからといって、消えたわけじゃないですし、自宅では半分療養中みたいな感じなんですが、もう気にするのはやめました。70歳も過ぎましたし、そもそも自分の細胞が変わっただけですからね、これはもう一緒に暮らしていくしかないんです。かなり痩せちゃったんですが、これからもいろんな役をやりたいのでこれから少し肉をつけていかないと。
テリー 現在撮影中の「ノーサイド・ゲーム」の現場はいかがですか。
西郷 僕は社長室とか大会議室のシーンが多いから、思ったよりは楽ですよ。
テリー 見てると、長ゼリフが多いじゃないですか。
西郷 ああ、初日から4分ぐらいの長いセリフがありましたね。しかもそれをぶっ通しで、アングルを変えて5~6回やるんです。
テリー 僕がそれをやれって言われたら、たぶん泣いて逃げちゃいますね。
西郷 若い時は自分でも驚くぐらいセリフが入ったんですけれど、この年になると難しくなりますね。覚えるのに昔の10倍ぐらい時間がかかってるんじゃないかな。
テリー 全部頭に入れて臨むんですね、偉いなァ。丹波哲郎さんみたいに、そこらじゅうにセリフを書いた紙を貼ったりしないんだ。
西郷 それ、三木のり平さんもやってましたね。生放送で共演した時、僕に小声で「そこをどけ!」って言うので何かと思ったら、のり平さんのセリフが書かれた紙が僕の体で見えなくなっていた(笑)。