草刈正雄『なつぞら』朝ドラの老人役を変えた“神回演技” (2/3ページ)

日刊大衆

 この『なつぞら』第114話は2組の華やかな結婚式でハッピーエンド。最後にはスピッツの『優しいあの子』とともに、スタッフロールが流れた。主題歌をエンディングに使うというのは、朝ドラ最終回の常套手段だけあって、SNSでは「まるで最終回のよう」「なつぞら最終回もどき、本当に感動!」というコメントが踊っていた。

 しかし、なにより感動的だったのは、なつと泰樹のやりとりだ。この日はなつの小さい頃を想起させるシーンがたくさんあったが、その感動の導火線を最後に爆発させてくれたのが、なつと泰樹が語り合うところだ。2人のやりとりに涙腺が崩壊した人も少なくないだろう。

「ありがとう」とこれまで育ててもらった感謝を口にするなつに、泰樹も「ありがとう」と返す。「わしもおまえに育ててもらった、たくさんたくさん夢をもらった。ありがとう」と涙を流し、震える泰樹。この2人の会話の中で、あえて回想シーンを用いなかったのも、見事な演出だった。視聴者はそれぞれ、幼いなつが泰樹に厳しく、そして優しく育てられていったドラマ第1週を思い出したはずだ。本当に見事な最終回、ではなく感動の神回だったといえる。

■朝ドラの老人役は死ななくなる?

 この放送を見てあらためて2つのことを実感した。1つは『なつぞら』がこれまでの朝ドラの中でも、特に“感動”を狙った作品だということ。そして、次は泰樹を演じる草刈正雄の演技が感動を巻き起こし、ドラマの雰囲気を作っているということ。最近は草刈が登場しただけで、なんだか泣きそうになってしまう。ドラマ放送開始時も、その熱演が感動を呼ぶと話題になったが、ドラマ終盤こそ草刈正雄に登場してもらい、もっともっと感動させてほしい。

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