星稜野球部のメンタルコーチが教える「勝負強さ」の作り方 (2/2ページ)

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■最悪を想定しておく

本番前の緊張から悪いイメージばかりが浮かんでしまう「マイナス思考」よりは、なんでも前向きにとらえる「プラス思考」の方がいい。

ただし、前向きなイメージを持つことだけに集中して、予期せぬ事態を想定していないと、結局は本番であわてることになってしまう。ノーヒットピッチングを続けていた投手が、初ヒットを打たれた直後に突然崩れてしまうことがあるのは、ペースを乱される出来事があった後、メンタルを立て直すことができなかったことも一因だろう。

真のプラス思考とは、悪いイメージを頭から排除することではない。
「最悪を想定して、最善をイメージできる」のが真のプラス思考だと飯山氏は言う。

■気が散ってしまう時は「アイコントロール」を

ある時、高校野球の秋季大会で、試合中に雨が降ることが予想される日があり、飯山氏は投手に「雨に集中するのではなく、一点に集中しよう」と声をかけたことがあった。

試合中に雨が降ると、投手は手先が濡れることやマウンドがぬかるむことが気になり、試合よりも雨に気をとられてしまいやすい。そんな時に有効なのが「一点集中」なのだという。

人間の脳は、何か一点を集中して見つめることで集中できるようになる。このように、視点を一か所に固定することで集中力を高める方法を「アイコントロール」という。このアドバイスが効いたのか、投手は雨が強くなった中盤以降に調子を上げて、試合に勝つことができたという。

スポーツの世界でも、ビジネスや受験の世界でも、メンタルが結果を左右するのは同じ。どの世界にもいる「本番に強い人」は、例外なくメンタル面が充実している。

本書では、ここで取り上げたものの他にも、大舞台で力を発揮できるメンタルの作り方が詳しく解説されている。緊張感で頭がはたらかなくなったり、体が固まってしまう人や、予想外の出来事に慌ててしまう人。ピンチになると頭が真っ白になってしまう人など、「本番に弱い人」にとって、参考になるところは大きいはずだ。

(新刊JP編集部)

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