火星の生活を疑似体験する洞窟内アトラクションがガチすぎる件(スペイン)

一般人にも宇宙に手が届くようになるまでもう少しだ。今年6月、NASAは2020年から国際宇宙ステーションを一般に開放すると発表した。
これは大ニュースだが、それよりも火星でしょ! という人はもうしばらく待たねばならないかもしれない。
だが、どうしても待ちきれないというあなたにオススメなのが、地球の大気の中にいながらにして火星を体験できるアトラクションだ。
ASTROLAND / MISSION #1
・洞窟の地下の火星ステーション
このほどスペイン初の惑星間機関を標榜するアストロランド・エージェンシーが、スペイン北部にそびえるカンタブリア山脈の洞窟の中に、火星のコロニーを再現したアトラクションをオープンしたそうだ。
参加者は洞窟の中に設えられたアレス・ステーションで3日間、火星の「過酷な環境を模した科学的宇宙センター」を体験することになる。

・本格的な訓練付き
家から出て、帰宅するまでが遠足であるように、この火星体験もただ火星センターに行って滞在するだけのものではない。
滞在前、まず参加者は3週間のリモートトレーニングと3日間の運動・心理トレーニングを受けて、宇宙での歩き方など、サバイバルに必要な技能や心構えを習得しなければならないという本格的なものだ。
そして洞窟の施設内では、実験を行ったり、火星での人体の機能などいろいろなことを試しながら、ミッションを遂行することになる。
紹介動画のハードコアな雰囲気からもわかるとおり、友達との宿泊に浮かれてキャーキャーと枕投げをしたりするような甘い感じではない。

・人体を守るための地下施設
「低温、強風、強烈な太陽放射など、火星の環境はとても過酷です。ゆえに、そこで人が生命を維持するために最適な方法が地下に潜ることなわけです」とアストロランドのダビ・セバージョスCEOはメディア紙に答えている。
「カンタブリア山脈は、それに似た条件を再現するにはぴったりの場所です。」
高さ50メートル、全長1190メートルのアレス・ステーションには、実験室、宇宙服、各種ミッション専用スーツ、生命維持カプセル、水栽培施設、電力・水製造装置、3Dプリンター、キッチン、娯楽室、ジム、サバイバルキット、食料などが完備される。
「火星で10人が暮らすことを想定し、あらゆるテクノロジーや人間の能力を試験するために必要なものすべてが揃っています」と説明されている。

・ガチで火星体験をしたい人、参加費用は72万円
模擬火星探検に参加するにはトリップアドバイザーをつうじて予約をする。費用は約6800ドル(72万円)だ。
すでにテストクルーによって初回の探検が実施されているが、11月には4回のミッションが予定されている。
なおトリップアドバイザーによると、参加者は航空宇宙の専門家や心理学者などとオンラインでコンタクトを取れるようになるそうだ。そうした専門家の中には、欧州宇宙機関(ESA)の関係者もいるので心強いかぎりだ。
この投稿をInstagramで見るAstroland Agencyさん(@astrolandagency)がシェアした投稿 - 2019年 7月月16日午前12時43分PDT
アトラクションとはいっても、休日くらいゆっくりさせてくれよ! とお考えの人には向かないだろう。なにせ紹介動画の参加者は誰一人としてニコリともしてない。「実験、作業、実験、作業……」こんな発言もされている。
だが、エイリアンやゼロ・グラビティのような宇宙ならではの緊張感の中、自分を追い込んでみたいという人には、忘れられない体験になるのではなかろうか。それに、リアルな宇宙服コスプレができるのもポイントが高いと思うんだ。
References:This Exclusive Preview Of Life On Mars Is A Truly Out-Of-This World Experience | TripAdvisor Blog/ written by hiroching / edited by parumo