『なつぞら』貫地谷しほり再登場で、物語は急展開に!?
ヒロインのなつ(広瀬すず/21)が結婚して妊娠と、ここのところ話題が絶えない連続テレビ小説『なつぞら』(NHK)だが、今週、注目されたのは朝ドラファン待望の、あの人の再登場だ。まずは8月17日の放送を振り返り、これからの見どころを考えていきたい。
妊娠したなつは神地(染谷将太/26)らに、子を宿したことを報告。その後、社長に掛け合い、出産後も契約社員ではなく社員として働きたいと告げる。そして、妊娠しながらもなつは作画監督になることを宣言して……という展開だった。
母となることに喜びを感じながらも、アニメーターとして働き続けることを決意したなつ。仕事にかける思いの強さにグッときた。しかし、この回でもっとも視聴者が反応したのは番組のラストだ。なつの先輩アニメーター、“マコさん”こと大沢麻子(貫地谷しほり/33)が再登場。ツイッターには「貫地谷しほりさん来るぞー」「貫地谷しほり復活だぁ」と、麻子を演じる貫地谷しほりの復活を喜ぶコメントが連発されていた。
マコさんのモデルは、日本アニメ黎明期に活躍した中村和子だといわれている。東映動画で活躍した後は手塚治虫の虫プロに移籍し、『鉄腕アトム』『リボンの騎士』といった名作に参加した女性アニメーターの先駆けだ。「ワコさん」と呼ばれた彼女は手塚治虫の右腕として活躍し、漫画やアニメの『三つ目がとおる』の和登(わと)さんのモデルとなったという逸話も持つ。美人で聡明、天才的なアニメーターだった伝説的人物なだけに、今後は『なつぞら』のストーリーにも大きな影響を与えそうだ。
貫地谷しほりは、2007年下半期の朝ドラ『ちりとてちん』でブレイクした。この作品は『おしん』が持っていた朝ドラのDVD売上記録をあっさり抜いたという傑作だ。笑いあり涙ありのドラマだったが、貫地谷は女流落語家の喜代美をみずみずしく演じきり、全国的な知名度を得た。『なつぞら』放送前に特番『朝ドラ100作ファン感謝祭』で発表された、“思い出の名シーンランキング”でも『ちりとてちん』は1位を獲得。放送から10年以上経過しても、視聴者の心に残り続ける名作だ。
■貫地谷しほりの成長を楽しんでいるファンも多い
『ちりとてちん』で貫地谷が演じた喜代美は不器用なドジっ子だったが、今では貫地谷はどんな役柄もこなす演技派に急成長し、30代前半とは思えないほどの貫禄がある。彼女の持ち味は演技の幅の広さで、現代劇だけでなく時代劇もそつなくこなし、大河ドラマは『龍馬伝』(NHK)の千葉佐那役などで4度も出演。昨年はhuluオリジナルミステリー『ミス・シャーロック』が話題となり、近年はミステリー畑でも活躍している。
今回の『なつぞら』では、物語が進むにつれツンとした女性から、なつへの愛情がにじみ出る優しい先輩“マコさん”に自然にシフトしてみせ、その心境の変化と人間らしさを見事に演じきっていた。「あの喜代美がこんなに大人になって」と、その成長を噛みしめている朝ドラファンも多いのでは? 過去ヒロインの成長が楽しめるのは、朝ドラヒロインがたくさん登場する100作記念作『なつぞら』ならではの楽しみ方だ。喜代美から12年、大人の女優に進化した貫地谷しほりの演技から今後も目が離せない!(朝ドラ批評家・半澤則吉)
※画像はNHK『なつぞら』番組公式ホームページより