蝶野正洋の黒の履歴書 ★迷惑な平成の維震軍 (1/2ページ)
8月30日に後楽園ホールで開催される「プロレスリング マスターズ」に、TEAM2000を率いる“黒の総帥”として俺が出場することになった。
マスターズは、武藤敬司プロデュースの興行で、今回で開催が6回目となる“プロレスの達人”たちが呼ばれるスペシャルな大会だ。
最初はどんなものかと観戦に行ったら、リングに上がっている選手はジジイばっかり集まっていて、パッと客席を見渡したら、お客さんも40代〜60代のオッサンばっかり。お客さんも“マスターズ”だし、リング下のカメラマンもジジイになってて、選手の動きについてこれなくて「シャッターチャンスを逃すんじゃねえか?」って思ってたら、選手の方がもっと遅かった(笑)。全体的にスローモーションのマスターズは、不思議な世界だよ。
あと、選手の誰かがケガするんじゃないかって心配になる。前回の大会では、60歳半ばのベテラン選手が、試合中にセカンドロープに上がって注目が集まった。だけど、そこであきらめて、そのまま1段ずつロープを使って降りたんだよ。控室のモニターを見ながら思わず笑っちゃったけど、リングに上がっている選手は必死なんだよ。あの年でどこまでできるのかを考えて、「ジャンプしたら怪我するな」って判断したんだ。怪我をしたら元も子もないし、あそこで引けるのはプロだよ。
前に藤波さんの興行にゲストで参加させていただいたんだけど、それもベテラン選手がたくさん出てる大会だった。控室には長州さんがいて、挨拶したら「蝶野、オマエ、こんなとこ絶対にこないほうがいい。今日は死人が出るぞ」って笑ってるんだよ。控室にいた選手たちは、どこのケガが治ってないとか、いつ手術したとか、そんな話ばっかりで、確かにヤバイなって思ってたら、試合して帰ってきた長州さんが肉離れを起こしてたよ(笑)。
ただ、こういう興行は、たとえ動きが悪くても、ベテラン選手が出てくるだけでお客さんは大喜びしてくれる。今度のマスターズも、カード発表前にチケットが売り切れた。楽しみにしている人が多いから東京だけじゃもったいないし、シリーズにして全国ツアーしたらどうだって思うんだけど、武藤さんは「選手がついてこれない」って言うんだよ。選手の体力的に、移動も連戦も無理らしい(笑)。