無茶を押し付ける営業部門とデジタル化を推進する開発部門 そのギャップをどう埋めた? (3/3ページ)

新刊JP

業務フローの再設計によって、無駄の洗い出しや業務の工数の標準化はある程度できたが、それでも一つ一つで求められるスペックやこだわりは変わる。また、工数を少なく見積もる傾向は消すことができなかった。
そこで社長は「ディレクター制度」を導入し、営業担当と開発担当の橋渡しとなる人を新たに置いた。ディレクターには開発部門のリーダークラスを数名任命、人員不足が懸念されたが、採用強化などで対応することになった。

ディレクターは営業とクライアントの打ち合わせにも出席し、できることやできないことのコントロールがしやすくなる。最初は開発が打ち合わせに同席することに対して反発があったが、次第に「そちらのほうがコントロールしやすくなる」と定着していった。
こうして無駄を省き、生産性の向上や業務量の圧縮を達成することができた。

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このエピソードは『モンスター組織 ~停滞・混沌・沈没…8つの復活ストーリー』(リブ・コンサルティング著、権田和士監修、実業之日本社刊)の中に出てくる8つの組織変革の事例の1つである。

このエピソードのまとめで語られていることは、非常に重要な示唆に富んでいる。

大島テクノロジーズの抱える問題点は、一見すると、デジタル世代である開発部門とアナログ世代である営業部門のコミュニケーションギャップや、部門間の意思疎通が円滑ではない縦割り風土が問題であると見られがちである。もちろんコミュニケーションギャップの溝を埋めることは大事だが、それと同時に、コミュニケーションギャップを生んでいる真の要因にも目を向け、そこに手を打たなければ、本当の解決には至らない。(p.67より)

表面的な問題だけを掬って手を打ったとしても、本質的な解決に結びつくことは難しい。大島テクノロジーズの場合は、まずはオフィスの環境を抜本的に変えたことが大きかった。結果、行動が変わり、そして意識が変わっていったのである。

本書には他にもさまざまな混乱に陥っている組織の事例が紹介されている。
成長を優先しすぎる経営者、責任と権限の不一致が起こしている組織、業績目標第一主義でパワハラが横行する会社など、「あるある」が満載なのだ。では、一体そこからどのように抜け出すか。ぜひ本書を読んで参考にしたい。

(新刊JP編集部)

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