慌てない。「動じない人」の特徴
職場やプライベートで予測しなかったことが起きたときに慌ててしまう癖はありませんか?
物事に動じず冷静に判断して対処できている人を見ると、うらやましいと思うと同時に「自分もあんな風になりたい」と思うのではないでしょうか。
今回は、何事にも動じない人の心理的特徴を分析するとともに、「動じない人」になるためのアドバイスをお届けしたいと思います。
■動じない人の特徴とは?
それではまず、物事に動じない人の特徴を挙げていきたいと思います。
◇(1)理念がある
動じない人には理念があります。
理念は目的とは異なります。
目的とは「お金持ちになる」や「素敵な男性と結婚する」といったように欲求や欲望に基づく目的地ですが、理念とは私利私欲関係なく『物事はこうであるべきだ』という自分の中の正義です。
たとえば、お笑い芸人が「売れてお金持ちになりたい」というのは目的ですが、「世界中のひとりでも多くの人に笑いを届けたい」というのは理念です。
現代は欲望を刺激するものであふれています。
しかし、理念には私利私欲が関係ないため、そうした欲望に絡むさまざまな出来事を意に介しません。
その結果、物事に対して冷静に対処することができるのです。
◇(2)選択肢が多い
「動じない人」と聞くとどっしりと構えた頑固な人を想像する人も多いと思いますが、それは外から見た姿で、心の中はとても柔軟でたくさんの選択肢を持っています。
人は選択肢が少ないとその選択がうまくいかないときに動揺してしまうものです。
選択肢は多ければ多いほど、心の余裕につながります。
◇(3)同感しない
動じない人は、まわり起きた出来事や他人の感情に同感しません。
「同感」とは、「私も同じ意見だ」と外部の空気感や感情を自分の中に取り込んでしまうことですが、そうすると自分自身が乱されて右往左往してしまうものです。
同感しない人、と聞くと冷たい人をイメージしてしまうかもしれませんが、動じない人は、同感はしませんが共感はできます。
「共感」とは環境や他人の感情に寄り添うこと。
「共感はするけど同感はしない」姿勢が動じない人を作ります。
◇(4)自己受容ができている
自己受容とは、自分はどういったパーソナリティであるかということをしっかり把握できているということ。
自己分析ができていると、「こういう状況になったら自分はこう動くだろう」ということが予めわかるため動じないのです。
◇(5)自己一致ができている
これは(4)の自己受容の先にあるもので、自分のパーソナリティを受け入れたうえで、それと現実の自分に矛盾がない状態のことをいいます。
したがって、身の丈に合わないことをしたり、エネルギーを持て余したりすることがありません。
心のバランスが取れているので、何かが起こったときでも崩れないのです。
■強い心を持ちたい。何事にも動じない人になるためには?
それではここからは、何事にも動じない人になるために日々意識していただきたいことを挙げていきたいと思います。
◇(1)過程ではなく、結果重視の思考を心がける
何かを達成したいと思うときは、達成したいことにしっかりと焦点を当て、その過程は柔軟に考えましょう。
たとえば、ある資格を取得したいと思ったときに予備校に通うという選択肢があったとします。
この際、「予備校に通うこと」が目的にならないようにしましょう。
目的は資格の取得です。
「予備校に通うこと」で足りないときには、「オリジナルのまとめノートを作ってみる」など、プロセスを柔軟に考え、資格を取るという目的の達成に一歩ずつ近づいていきましょう。
結果重視を心がけると、前述の(2)で挙げた「選択肢が多い」思考にシフトしていくことができます。
◇(2)情報弱者にならない
インターネットの発達により、自分がほしい情報だけを簡単に入手できる時代になりました。
しかし、それは逆の方向から考えると興味のない情報は一切取り込まなくなるという状況になりがちです。
一部の限られた情報しか知らない視野の狭い状態に陥ると、自分にとって想定外の出来事が多くなります。
ニュースはひと通り目を通す、誘われたら一回は行ってみるなど、アンテナは多方面に張っておくよう心がけましょう。
◇(3)理念を持つ
前述しましたが、理念とは自分の中の正義です。
言い替えると「私はこういう人でありたい」という信念です。
信念を持つとまわりの人が何を言ってこようと環境が変わろうと気にならなくなります。
◇(4)開き直る
そもそもなぜ動じるのかというと、他人の意見や声といったまわりの環境に心が揺さぶられてしまうからです。
「言いたい人には勝手に言わせておけばいい」「命まで取られることはない」「なんとか生きていけるさ」など、自分の中に開き直りのワードを持っておきましょう。
他人に向けて言うと野蛮な言葉も、自分の心の中で言うのは自由です。
他人に向かって開き直ることはおすすめしませんが、自分自身の開き直りはポジティブなパワーとなります。
■自分の理念を持とう!
これまでの日常生活で自分の理念なんて考えたこともなかった、という方も多いと思います。
理念と聞くと企業が作るようなイメージで、大それたことだと考えてしまう方も多いと思います。
しかし、「私はどういう人でありたいか」という自分の軸を持つことは、動じない人になるためには必要な概念です。
「人を裏切らない」「傷つけない」……そういう小さいと思えることでも立派な理念です。
このコラムを読んだことをきっかけに、ぜひ「あなたの理念」を考えてみてください。
(小日向るり子)
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