プロが教える「人生100年時代」を健康に生きるコツ

日刊大衆

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「気がつけば、あっという間に100歳だよ。これは、102歳で大往生した私の母の言葉ですが、人生にはいろいろなアクシデントがあるものです。でも、何があってもクヨクヨしないで、日々を淡々と積み重ねていくことです。そしたら、“あっという間に100歳”なんですよ」(シニアライフプランナーの橋本テツヤ氏)

 令和になり、人生100年時代が本格的にスタートした。「厚生労働省も“人生100年時代構想会議”を立ち上げ、ふさわしい政策の検討に入っています。人生100年は、すぐそこにある現実なんです」(全国紙科学医療部記者)

 “オレは持病があるし、とても100歳までなんて生きられないよ”と思っている向きも、存外“長生き”してしまうご時世なんだという。

「高血圧や糖尿病などの持病がないほうが健康体だと言えますが、持病のある人の場合は、マメに病院通いをして自分の体の状態を把握しているので、重大な病気を発見しやすいんです。逆に、自分の体に自信がある人は病院に行こうとしないので、気がついたときには手遅れになっていることも少なくありません」(医療ライター)

 “オレはどうせ短命”などと嘆くなかれ。人生は長いのだ。「WHO(世界保健機関)が発表した最新の調査結果では、日本人女性の平均寿命は87.1歳で世界一。男性も81.1歳で、スイスに次いで世界第2位です。厚労省の最新の調査では、男性の平均寿命は81.25と延びています」(前同)

 厚労省の発表を細かく分析すると、「男性の4人に3人は75歳以上まで生きる」となり、「4人に1人は90歳以上まで生きる」というから驚きだ。

 各界を見渡しても、シニア世代が現役バリバリで活躍し続けている。「今回の内閣改造、党役員人事で自民党の二階俊博幹事長は80歳ですし、政界には中曽根康弘元首相の101歳が控えています。芸能界でも、“若大将”だった加山雄三さんは82歳。毒蝮三太夫さんも83歳にして、外ロケを続けています。球界を見渡せば、“ON健在なり”です。王貞治さんは胃がんを、長嶋茂雄さんは脳梗塞や昨年の長期入院を乗り越えられて、現在も活躍しています」(高齢者向け情報誌記者)

■「年齢よりも10歳若い」と思え!

 人生100年と考えると、60歳などまだひよっこ。70歳を過ぎても30年も余生があるわけだ。「今後は、“老後”の定義を考え直すべきですね。うちの雑誌でも、若者が読んでもおかしくないようなレジャー情報を特集すると、意外と受けるんですよね」(前同)

 長~い人生。いったい、どのように生きていくのがいいのか? 前出の橋本氏は、「実年齢を忘れろ」とアドバイスする。「自分の年齢よりも10歳若いと思い込んでください。実年齢を意識すると、すべての行動に“老い”が出てしまいますから」

『横浜友愛クリニック』の志賀貢院長は、適度な運動が不可欠と説く。「運動は有酸素運動と無酸素運動に分けられますが、年配者には、散歩、ジョギング、サイクリングなどの有酸素運動がいいですね。高齢者に人気のゴルフは、考えもの。心筋梗塞などで運ばれてくる患者が多いんです。ゴルフはリラックス運動(有酸素)ではなくて、パターやティショットを打つときの緊張感やストレスが、体への負担になっているんですよ」

 適度な運動は長寿に不可欠。その他、日本人の死因のトップ3であるがん、心臓病、脳卒中に罹患しないための食事、生活習慣を心がけることも重要だ。意外と知られていないのが、誤嚥性肺炎への備えだ。

「誤嚥性肺炎は後期高齢者に多い病気です。食べ物を咀嚼する力や飲み込む(嚥下する)力が衰えるために発症しますが、これを防ぐトレーニングがあります。“パピプペポ”のパ行を、大きく口に出して1日30回唱えるんです。パ行の発音で使う筋肉は、咀嚼や飲み込むときに使う筋肉と共通していますので効果がありますよ」(医療関係者)

■医者選びのコツ

 年を取ると病院にかかることが多くなるため、よい医者を見つけるのも重要だ。新潟大学名誉教授で、『医者とクスリの選び方』(アスコム)などの著書もある医師の岡田正彦氏が言う。

「担当医がコロコロ代わる大学病院に行くより、近所のクリニックの中から、親身に相談に乗ってくれる主治医(かかりつけ医)を選んでください。よい主治医が見つけられたら、健康長寿でいられる確率がグッと上がりますよ。100歳まで生きるなら、病院選びより、医者選びのほうがはるかに重要です」

 岡田氏が挙げる「よい主治医」の見つけ方は表に掲載してあるので、ぜひ、実践してみてほしい。

 前出の志賀院長は、早くから自宅をバリアフリーにすることを推奨する。「人生100年時代は、40代くらいからバリアフリーの生活を考えるべきです。欲を言えば、一戸建てなら階段がない平屋がいいですが、それは住宅事情から難しいでしょう。ならば、思い切ってエレベーターをつけるのがよいでしょう。というのも、高齢者になると家庭内の転倒事故が非常に多いからです。夜間の飲酒時に自宅で転倒して大腿骨を骨折。あるいは脳梗塞に至る……。こうした事故が、老化を早めている現状がありますね」

 エレベーターは難しいにしても、退職金などで、バリアフリーにリフォームしてみてはいかがだろうか。

 人間、生きていれば金がかかる。金の工面も、100歳まで生きるためには死活的に重要だ。

『60歳から始めればいい安心のマネー術 老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の著書で、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が言う。「世の多くの雑誌や本には、老後資金の準備は40〜50代で始めようとあります。しかも、老後は投資信託などで資金を運用しないと、途中で生活費が底をつくと書かれているものも少なくありません。ですが、貯金がなくても、60歳から老後資金について考えても、手遅れではありませんよ」

 先だっても、政府が「老後資金には年金以外に夫婦で2000万円必要」との試算を発表、世の中がザワついたため、すぐに撤回する騒動があったばかりだ。「年金(国民年金だけでも)に加入していれば、受給を遅らせて受給額を増やす制度などを活用できますし、元気な限り働けばいいんです。一方で保険を解約したり、住宅ローンの借り換え、ポイント還元制度を最大限活用するなどして節約すれば、月額かなりの額を浮かすことができます」(前同)

 9月20日発売の『週刊大衆』では、100歳まで生きるための趣味やレジャーの楽しみ方も紹介している。

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