アラムコ攻撃で暗雲? サウジ経済改革が抱える根本的問題 (2/2ページ)
放送大学名誉教授である高橋和夫氏は『イランVSトランプ』(ワニブックス刊)で、この経済改革の課題の一つに「国民への十分な雇用の提供」を挙げている。
端的に言えば、サウジは国民を働かせたいのだが、これがなかなか一筋縄ではいかない。海外から投資を呼び込んで大規模な雇用創出をはかりたいという狙いとはうらはらに、現段階では外資はサウジへの投資に及び腰なのだ。
またもう一つ、高橋氏が指摘しているのが「納税と政治参加」の問題である。もし国民が労働し税金を納めるようになったとしたら、その税金の使い道に口を出す権利を求めるようになるのではないか。つまり、国民から政治参加を求める声が上がるのではないか。それこそは、サウジ王室がおそらくもっとも恐れていることであり、同時に経済改革が内包する、サウジアラビアという国家を崩壊させかねない課題なのだ。
◇

『イランVSトランプ』は、今回の攻撃が突発的に起こったものではなく、イランとアメリカの長い対立関係の歴史に導かれたものであることを明らかにする。そして、この問題がイランとアメリカの二国間の対立ではなく、サウジアラビアやイランといった中東のアクターを含みこんだ規模の大きな問題であること、この問題が今に至った経緯についても詳述されており、世界情勢のホットトピックであるイラン問題を理解するために役立ってくれるはずだ。
(新刊JP編集部)