米国では死亡事例も!「電子タバコが危険な理由」

日刊大衆

画像はイメージです
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 最近は学校などの公共施設はもちろん、喫茶店や飲み屋まで「喫煙不可」の店が増えている。来年の東京五輪に向け“タバコ包囲網”は一段と厳しくなるはずで、1日3箱の超ヘビースモーカーの記者も「煙が少ない電子タバコにしようか」と真剣に悩んでいる。

 ところが、こんな折も折、アメリカのトランプ大統領が「電子タバコは健康に甚大な害がある」として販売規制をすることを発表。記者は最後の“頼みの綱”も切られた思いなのだが、トランプ大統領は、なぜ電子タバコの規制に踏み切ったのか。米国在住のフリージャーナリストが明かす。

「米国ではこの4~5年、電子タバコが10~20代のファッションとして爆発的に広がり、市場規模も5000億円に達したといわれます。ところが、昨年8月、電子タバコを常用していたイリノイ州の若者が重い肺疾患を発症して死亡し、その後も電子タバコのヘビーユーザーが呼吸器障害で次々に死亡したんです。FDA(アメリカ食品医薬品局)が調査したところ、全米の電子タバコ常用者の6人が死亡し、450人に重い肺疾患が認められ、トランプ大統領も規制を打ち出したようです」

 サンフランシスコやミシガン州は、すでに販売を禁止したのだが、今回のトランプ大統領の決断で規制が米国全土に及ぶことになる。この分では日本も早晩、電子タバコが規制されると思いきや、医療ジャーナリストの牧潤二氏によると「日本とアメリカはちょっと事情が違う」という。

■電子タバコと加熱式タバコはどう違うのか

「アメリカで問題になっているのは、香りがついたリキッド(フレーバー)を温めて吸引するVAPE(ベイプ)タイプの電子タバコです。ところが、日本の主流となっているのはアイコスやプルームテックなどの加熱式タバコ。アメリカでも加熱式タバコを厳しく規制してはいないんです」
 電子タバコと加熱式タバコがどう違うのかは、下の表を見てほしい。

 VAPEタイプの電子タバコを簡単にいえば、香水を加熱して吸引するもので、基本的にニコチンは入っていない。日本でも、このタイプの商品として『myblu(マイブルー)』などが発売され、コンビニでも買える。とはいえ、日本ではあまり普及しておらず、爆発的に伸びているのは加熱式タバコだ。これはタバコの葉を高温で温め、ニコチンを含んだ水蒸気とともに吸引する紙巻きタバコ代用品とも言うべきもので、法律的にもタバコに分類される。ニコチンが入っている分、加熱式のほうが害がありそうだが、なぜアメリカはニコチンが入ってない電子タバコを規制するのか?

 一つに、これには「ワケが分からない成分」が入っていることが挙げられる。たとえば、大麻の効果成分(THC)がそうだ。だが、これより問題なのは「揮発性香料を温めて吸うこと」だという。

 今回、話を聞いた呼吸器科医は「まだ、電子タバコの害については科学的根拠が確立してないので、はっきりしたことは言えませんが……」と前置きし、匿名を条件にこう説明する。「電子タバコのリキッドは、基本的にグリセリンやエチレングリコールといった脂質成分と香料です。電子タバコは、これを温めて吸引するんですが、これは香水を温めて思いっきり肺に入れるようなもの。リキッドの脂質を肺に大量に吸い込むことで、呼吸器に障害が出るのだと思います」

 実際、電子タバコで死に至ったり、呼吸器障害になった人は油脂や脂質を吸い込み発症するリポイド肺炎に罹っているケースが多い。

 この他にも、9月27日発売の『週刊大衆』では、生活に役立つ記事を多く特集している。

「米国では死亡事例も!「電子タバコが危険な理由」」のページです。デイリーニュースオンラインは、タバコカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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