本好きのリビドー (2/3ページ)
だから殺してあたりまえと、悪びれることなく、大量殺人を正当化している。
裁判で死刑判決を受けたが上告中だったり、刑が確定しても執行されていない殺人犯は少なくない。そんな存命中の死刑囚7人と面会した様子を漫画化した1冊が、『獄中面会物語 死刑囚に会ってきました。』(笠倉出版社/690円+税)である。
原作は、殺人・冤罪事件を取材しているルポライターの片倉健氏。獄中の死刑囚に手紙を書き、返信用の封筒や便箋を差し入れするなど、根気よく根回しした後に面会にこぎつける。
そうした苦労にも関わらず、死刑囚たちの反応はさまざまだ。前述の19人を殺害した男は片倉氏の目を正面から見つめ、理路整然と「人類のためにやった」などと持論を繰り返す。
交際していた男が次々と不審な死を遂げ、「鳥取の毒婦」と異名をとった肥満体の女に至っては、「息をするように嘘」をつき、その一方で機嫌をとるように媚びを売るため、真実を引き出すことは無理と断念する。
いずれも歪んだ考えや嘘、被害妄想などにまみれ、心の闇は計り知れない。だが、特異な個性は読み手を圧倒する。それこそが、常軌を逸した殺人犯の真の姿なのだと思わずにいられない。
(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)
【話題の1冊】著者インタビュー 本橋信宏 佐藤信顕
遺体と火葬のほんとうの話 二見書房 1,400円(本体価格)
★葬儀にまつわる_不安がある人に響きます
――YouTubeの『火葬・葬式ch』が話題になっています。動画配信を始めたきっかけはなんですか?
佐藤 あまりにも葬儀にまつわるデマや悪質な都市伝説が多かったからです。サイトで質問を受け付けるようになると、デマに苦しみ、悩んでいる人からの質問が来ました。きちんと証拠をもって話す人間がいないことが原因だと思い、葬儀にまつわるデマに向き合っていく配信を始めました。心霊的な脅しであるスピリチュアル・ハラスメントや、家族間の問題、一部の宗教家による拡大解釈などが目に付きましたね。自分の目先の利益にしようと、一般の方に怖い思いをさせる事例がとても多く、何年もかかってデマや言いすぎを止めてきた集大成が今回、書籍出版という形になりました。