ディーン・フジオカ『シャーロック』岩田剛典ほか、成功必至な“盤石の布陣”

今度はそう来るのか……! 良くも悪くもまったく世界観が想像できないのが、10月7日スタートのフジテレビ月9ドラマ『シャーロック』だ。原作はいわずもがなだが、コナン・ドイル作の傑作ミステリー『シャーロック・ホームズ』。これを令和の東京に置き換えるという斬新な内容である。
主役のシャーロック・ホームズにあたる犯罪捜査専門コンサルタントの誉獅子雄役はディーン・フジオカ(39)。相棒のジョン・ワトソンにあたる精神科医の若宮潤一役は、岩田剛典(30)が演じる。そして、そんな2人に捜査を依頼する江藤礼二警部役が佐々木蔵之介(51)。スケボーを愛する情報屋のレオに、モデルのゆうたろう(21)が出演するのも話題だ。
ヒロイン不在、華麗なるイケメン祭りとなる、今回の月9。 確かに目新しい試みだが、イケメンコンビのシャーロック・ホームズといえば、英米合作の映画版『シャーロック・ホームズ』での、ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウという素晴らしい大成功例がすでにある。それと比較してしまい「あらら」になる危険性も、なきにしもあらず。2019年秋クールで、一番ギャンブルな1本といえるだろう。
だが、そんな不安要素を上回り、なんだかんだ言いつつも「やってくれるかもしれない」と期待してしまうのが、ディーン・フジオカの存在感である。
彼には実績がある。「なぜ今巌窟王?」と誰もが驚いた、フジテレビ系木曜劇場『モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-』、「なぜ今わざわざテレビドラマでレミゼ?」とこれまた誰もが驚いたフジテレビ開局60周年特別企画ドラマ『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』。この2本の無謀なチャレンジ作すら、苦笑で終わらせずギリギリセーフにしてきたのである。
彼のクラシカルな美貌は、こういった世界名作劇場的な世界にハマる。そもそもこの2本でディーン・フジオカと組んだプロデューサーの太田大氏が、今回の『シャーロック』でもプロデューサーを務める。制作側が「おディーン様と古典小説を日本風に置き換えるシリーズ」にすっかり楽しさを見出した結果なのだ。この信頼関係は、作品にも必ず出るはずだ。
■『緊急取調室』のアノ人も参加
そして、相棒を務める岩田剛典の「愛すべき子犬顔」も、ディーン・フジオカと相性抜群。彼の運動神経やリズム感を生かしたアクションも期待大だ。
さらにもう一つ、『シャーロック』が大成功しそうな、なによりの大きな要素がある。それは脚本家が井上由美子氏ということである。『白い巨塔』(フジテレビ系)や『緊急取調室』シリーズ(テレビ朝日系)で、しっかりと人間の細やかな心理の動きを描いてきた井上氏。『シャーロック』も、「名作の、奇をてらった焼き直し」で終わらせるようなことは、絶対にしないだろう。
ひと昔前の恋愛王道ドラマ枠とは違った動きをしている、近年の“月9”。2019年に入ってからは『トレース~科捜研の男』『ラジエーションハウス』「監察医朝顔」と、硬派な職業ものが続いてきた。2019年のラストを飾る、この男だらけの月9『シャーロック』がどう動くのか、ぜひ注目したい。