やっぱり浮世絵師・鈴木春信が好き!代表作「風俗四季歌仙」に観る春信の魅力 その1 (4/5ページ)
女性の振袖には、冬の柄である“雪輪”の中には梅や撫子、菖蒲やもみじなど、四季おりおりの植物が描かれています。これは振袖の柄としては特別なものではありませんが、この柄を選んだことに意味があるのではないでしょうか。これらは全て太陽の光によって生命を育くみ、また他の命あるものを生かしています。
それでは広縁に座っている年若い武士は誰でしょう?
この時代、年若い裕福な男性が振袖を着ることは珍しくはありませんでした。この振袖の柄を見ると“笠”に見えませんか?着物の“笠”模様には「隠す」という意味があります。それに伴って描かれている模様は、波のようでもあり、雲のようでもあり、霞のようでもあります。
雲や霞が隠すものと言えば“月”ではありませんか?
この若い武士は、天照大御神の弟の月読命(ツクヨミ・ツキヨミ)と見立てることができます。