謎に包まれた死。幕末の美男役者・八代目 市川團十郎はなぜ32歳で自殺したのか?その3 (2/2ページ)

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「助六由縁江戸櫻」の花川戸助六

新しく木場に構えた新居に、実母すみと2人の妾、腹違いの弟妹11人だけが残され、急に重い責任が彼1人にのしかかりました。しかも彼はどうやら妾たちと折り合いが悪かったらしく、木場の家は8代目團十郎にとっては安らげる場所ではなかったようです。

こうした境遇から、8代目團十郎は女性そのものに嫌気がさし、妻帯どころか女は全く寄せ付けなかったといいます。

「團十郎」の名をめぐるジレンマ

冷たく当たってくる妾の子供でも、弟たちは可愛いし、彼等に罪はない。正義感が強く心優しい8代目團十郎は、そう考えたのでしょう。腹違いの弟たちが役者として引き立ててもらえるよう興行元に毎回苦心して頼みこんでいたといいます。

しかし弟たちが成長するにつれ、1つの懸念が浮上しました。実は父である7代目も8代目自身も、わずか10歳で「團十郎」の名跡を継いでいました。

弟たちがそういう年齢になったため、妾たちはそろそろ自分の息子たちの誰かに次の9代目を継がせようと策略する可能性が出てきたのです。正直妾の子に團十郎の名を継がせたくはないが、かといって女性嫌いの自分が妻帯して子供を作るという事も考えられない・・・。

神経質だった8代目團十郎は、責任感から弟たちに目をかけていた一方、今にも團十郎の名跡を弟つまり妾の子供に取られてしまうのではないかというジレンマを抱えていたかもしれません。

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