大島優子『スカーレット』戸田恵梨香との中学生対決で圧勝 (2/2ページ)

日刊大衆

中でも注目を浴びたのが、信楽きっての窯元の娘で、かわいいけれど性格は悪いお嬢様の照子だ。SNSでは「照ちゃん、チビ照ちゃんのまんまだ」「子役との境目がもっとも滑らかだったのが照子だと思う。大島優子、やりますな」と、子ども時代を演じた横溝菜帆のおしゃまなキャラを見事に引き継いだ、大島の演技が絶賛されていた。

 戸田恵梨香の中学生には「違和感ない」という好意的な意見もある一方、「さすがに無理ある貫禄ありすぎ」「戸田恵梨香の15歳はさすがに厳しかった」という辛口コメントも見受けられた。しかし、大島優子は子役の照子に寄せるキャラ作りで、見事、15歳になっていた。2人とも三十路を迎え、女優として新しいステージに立とうとしているが、ドラマ最序盤においては照子役の大島優子が、戸田恵梨香を食ってしまったかたちだ。

■大島優子はセンターより脇で輝く

 大島優子は2014年の映画『紙の月』では名女優、宮沢りえ(46)らと堂々とやり合い、ドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)では吉高由里子(31)が演じる倫子の友人、小雪を演じて話題となった。元AKB48のセンターという華麗なる遍歴を持つだけにちょっと意外に感じるが、大島が演技において本領を発揮するのはセンターではなくむしろ脇役なのだ。

 大島優子にはしっかりドラマに溶け込む自然さと、ときに主演女優を食う存在感がある。これは脇役として、かなりの武器といえる。なるほど、過去の作品でも彼女の存在がアクセントとなり、ストーリーに奥行きを与えてきた。アイドルとして大成する前から、芸能界で活躍してきた長い下積みが、今、女優として結実しようとしているのだろう。

 そこで今回の『スカーレット』だ。どうやら陶芸家になるらしい喜美子よりも、お嬢様、照子ははるかにミステリアスな存在。登場早々、ピタッと役にシンクロしてみせた大島が、ドラマをかき回すことは確実だ。センターではない場所で輝く、女優、大島優子に注目していれば、『スカーレット』はより面白くなるはずだ。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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