被災者のプライバシーを守るために 避難所専用テント「ファミリールーム」に開発者が込めた思い (2/3ページ)

Jタウンネット


防災担当者から、もっと簡単に設営できる方法はないだろうか、と相談されたのが、開発を始めるきっかけとなりました」

そこで、従来から手掛けていた、バネの力で広げるポップアップ式構造を採用し、試作品を作ってみた。

「これなら誰でも簡単に設営できそうだと確信が持てました。地方自治体の担当者は、防災課だったり福祉課だったりまちまちで、しかも数年で異動する場合が多いようです。まったくの初心者でも、すぐに設営できるものでなければ、実際には使ってもらえないことがありますから...」と担当者は語る。

材質はナイロンだ。素材がポリエステルだと、気温が低くなると、ゴワゴワして展開しにくくなる。ナイロンは低温でもなめらかで、取り扱いやすいという。東日本大震災時、東北地方で得た教訓の一つだそうだ。改良に改良を重ねてきた結果が、現在の製品にも生かされている。

車椅子利用者もコーナーのマジックテープ部を解除すれば出入りできる
車椅子利用者もコーナーのマジックテープ部を解除すれば出入りできる

床面のサイズは「2.1メートル×2.1メートル」だが、実はこれにもこだわりがある。

避難所に持ち込まれるふとんや簡易ベッドの大きさというのは、1.9~2メートルの場合がほとんどだ。つまりテントの中は、ふとん2枚を敷ける大きさが標準というわけだ。

ただ「約10センチ余裕を持たせたところがミソです」と担当者はやや誇らしげだ。これまでの経験でつかんだのが、この10センチの余裕ということだ。

高さは1.2メートルから1.8メートルまでさまざまだが、1.4メートルが標準だという。施設の管理者がある程度見渡せる高さだ。近所の人に気軽に声がかけやすいなど、施設内でのコミュニケーションを図ることも重要なのだ。

ある程度のプライバシーの確保と、施設内のコミュニケーションのバランスを考えた結果、鷹さ1.4メートルに落ち着いてきたようだ。

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