坂本龍馬も新婚旅行に…「秋の温泉」でアンチエイジング

日刊大衆

写真はイメージです
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「湯治」は、日本古来からの健康法。ようやく秋らしくなってきた今日この頃。ブラッと旅行に出かけ、温泉に入りたい……なんて人も多いだろう。温泉はつかって気持ちがよいだけではなく、泉質によってさまざまな効能があるともいわれている。「体を温めると、全身の末梢の血管まで温まって、血流が良くなる。血流が良くなれば、栄養分が全身に運ばれますから、疲労回復、健康促進への効果が得られます。寒い時季こそ、温泉を大いに利用すべきでしょう」(『横浜悠愛クリニック』の志賀貢院長)

 さまざまな健康増進に効果があるとされる温泉だが、中には、なんと「長寿」「精力増強」まで期待できる場所もあるとか。ということで、今回は本誌が厳選した“生涯現役”のための温泉地を紹介していこう。

 まずは、長生きの湯から。“温泉ソムリエ”の資格を持つ、青森在住のお笑いコンビ『あどばるーん』の小野ますのぶ氏が“長寿の湯”として薦めるのは、青森の酸ヶ湯温泉だ。「酸ヶ湯温泉は、豊富な湯量と酸性硫黄泉のさまざまな効能から、昭和29年には国民保養温泉地第1号に指定されたほどの名湯です」

 ここは混浴でも知られている温泉地だが、たたずまいも特徴的だと言う。「柱が一本もない木造大浴棟『ヒバ千人風呂』は壮観で、不思議な感覚が味わえます。心身が芯から温められ、癒されていくのが実感できますよ」(前同)

 本誌連載『しずかな贅沢湯の宿』も好評の温泉写真家・大黒敬太氏が教えてくれたのは、福島の湯岐温泉。「中でも、オススメは『和泉屋旅館』の“鹿の湯”。ここには、加温(気温が低いとき)した小さな風呂と、源泉かけ流しのややぬるい大きな風呂の2つがあり、交互につかることで新陳代謝が促進され、若返りが期待できます」

 また、大黒氏は、山梨の下部温泉も推す。「『元湯橋本屋』の混浴の浴室内には、32度の冷泉を注ぐ広い風呂と、50度の新源泉を注ぐ熱めの小さな風呂があって、サウナより優しく“交互浴”ができるのがいいんです」

 実は、この“交互浴”こそが長生きの秘訣だという温泉好きは多い。「熱い風呂に入った後に水風呂に入ると、キューッと血管が縮んでいくような感覚があります。それを繰り返すことで、頭の先から足の先まで血行が良くなります。すると眠りも深くなりますから、疲労回復に大きな効果を発揮してくれますね」(温泉に詳しいジャーナリスト)

■群馬は温泉大国

 関東地方に目を移せば、温泉大国・群馬に注目。草津温泉、四万温泉、法師温泉など、多くの“長寿の湯”が存在しているのだ。「四万温泉は、青森の酸ヶ湯、栃木の日光とともに、国民保養温泉地第1号に指定された、歴史深い温泉地。硫酸塩泉は、四万もの病に効くと言われ、それが名前の由来となったという説もあるほど。特に、胃腸への効果が知られています」(地元紙記者)

 近畿では、日本有数の温泉地、兵庫の有馬温泉は欠かせない。「有馬温泉は、単純泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、放射能泉と、7つもの泉質を有する珍しい温泉で、皇族や天下の武将まで虜にしてきました。特に放射能泉は体の自然治癒力を高めてくれると言われていますね」(地元関係者)

 その歴史と、優れた泉質を、まずは一度体感してみたいものだ。

 歴史のある温泉地といえば、和歌山の白浜温泉も長寿の湯だ。「かつては、熱海、別府と並んで“日本三大温泉”といわれた場所。塩化物泉と炭酸水素塩泉の泉質は、前者は湯冷めしにくい“温まりの湯”の代表、後者は“美肌の湯”として知られています」(地元旅館関係者)

 “美肌の湯”と聞くと、長寿とはあまり関係なさそうな気がするが――。前出の小野氏は、「それは違うと思います」と力説する。「自宅の水道から温泉が出るような土地のお年寄りに会うと、皆さん、肌がキレイで若々しく、実際に健康な方が多いんです。温泉が肌の角質や老廃物を取り除いてくれることで、代謝が上がって血行が良くなる。結果、見た目だけでなく、体内年齢も若く保たれるのでは……」

 そして、九州の長寿の湯として挙げられるのが、鹿児島の霧島温泉。「霧島山中腹にある温泉郷で、坂本龍馬夫妻が新婚旅行に訪れたことでも知られています。中心的存在の丸尾温泉の泉質は、単純硫化水素泉と硫黄泉。糖尿病や生活習慣病の改善が期待できます」(旅行誌編集者)

■美人の湯として知られる五味温泉

 さて、ここからは下半身に効く温泉地を見ていこう。最初は、北海道上川郡にある五味温泉。「ここは炭酸ガスを含む泉質で、“美人の湯”として知られています。炭酸ガスが血管を広げ、血流を良くするので、心臓に負担をかけずに血圧を下げることができるのだとか」(旅行誌記者)

 欧州では“心臓の湯”とも称されるという五味温泉。同様に、福島の玉梨温泉、そして、そのすぐ隣に位置する八町温泉も炭酸泉だ。

「お湯には鉄分が含まれていて、少ししょっぱい味で、つかると、みるみるうちに体中が泡まみれになる。これは炭酸泉の特徴です」(前同)

「炭酸泉は、血液循環の改善に大きな効果があると、多くの医療機関も認めています」(前出のジャーナリスト) 最近は、スーパー銭湯や入浴剤などで“人工炭酸泉”が増えているが、やはり天然モノにはかなわない。ぜひとも、この秋に本物を味わっていただきたい。

 また、群馬の伊香保温泉は、シニア世代にはうってつけのお湯だという。「泉質は硫酸塩泉で、高血圧症や動脈硬化などに効果があり、脳卒中の予防にも期待できるとされています」(前同)

 脳卒中は「三大疾病」の一つ。温泉で予防ができるなら、こんないいことはないだろう。

■生活習慣病の湯と称される奥日光湯元温泉

 同じように、栃木の奥日光湯元温泉も“生活習慣病の湯”と称される。「泉質は、硫化水素型の単純硫黄泉。糖尿病に効果があるといわれていますね」(同)

■武田信玄の隠し湯もオススメ

 そして、前出の大黒氏が実体験からその効果をアピールするのが、長野の奥蓼科温泉。ここもやはり、精力増強への効果で知られる炭酸泉の温泉地だ。

「信玄の隠し湯として知られる『渋御殿湯』の長寿湯は、30度を超えるくらいの“ぬる湯”なんですが、ポコポコと湯船の底からの刺激が心地よく、30~40分入っていると体はポカポカ」(大黒氏)

 さらに大黒氏は、和歌山の花山温泉、大分の筌の口温泉も推薦する。「特に花山温泉は、関西ナンバーワンの炭酸泉。源泉を利用した交互浴ができます。50代以上の入浴客が多かった記憶があります」(前同)

 ちなみに、前述した交互浴は下半身にも効果が絶大だという。この秋は、観光がてら“元気”をモノにしよう!

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