木村拓哉『グランメゾン東京』古くさくならない“カッコよさ”のワケ

日刊大衆

木村拓哉『グランメゾン東京』古くさくならない“カッコよさ”のワケ

「かっこよすぎてやばい」「その笑顔にキュンキュン」。この若手アイドルを愛でるような言葉はいずれも10月20日にSNSへあげられたものだが、ジャニーズWESTKing&Princeに向けられたものではない。木村拓哉(46)へのコメントだ。

 秋ドラマの中では後発でスタートした『グランメゾン東京』(TBS系)は、初回の平均視聴率が12.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)となかなかの好発進だったが、それ以上に「キムタクここにあり」という演技がファンの心をつかんだ。まずは、その放送を振り返ろう。

 フランスの3つ星レストラン「ランブロワジー」で、面接を受けた早見倫子(鈴木京香/51)。彼女の実技テスト中にある男がやってきて、自分のレシピで料理を作れと言い放つ。その男こそ、フランス料理店で2つ星を獲得するが、ある事件で店を失くしたシェフ、尾花夏樹(木村拓哉)だった。早見は「ランブロワジー」に不合格となるが、2人は意気投合して一緒に店を作ることになり……。

 木村拓哉が、久々に日曜劇場に登場した。この枠は2000年の『ビューティフルライフ』、03年の『GOOD LUCK!!』、07年『華麗なる一族』とキムタクの代表作を生み出してきた枠でもある。それゆえ、この『グランメゾン東京』も実に楽しみだ。初回放送を見て思ったのは、木村拓哉らしさが全編で光っていたということ。「レストランやらない? 俺と一緒に」「俺が必ずあんたに星を取らせてやるよ」という、これまたキムタクらしいセリフ連発で、ファンはぐっときたはずだ。と、同時に感じたのが「キムタクは今もかっこいい」ということだ。

「キムタクは何をやってもキムタク」とはよく言われてきた。確かに、美容師に検察官、外科医と、これまで彼が演じてきた役はいずれも、“ひと癖あるものの”という注釈がつく天才肌で、説明不要の男前。正直、似たような設定ばかりだ。けれど、一方で彼が「今っぽさ」を全身で体現してきたことを、忘れてはならない。

■時代に合わせて進化してきた木村拓哉

 00年の『ビューティフルライフ』や『HERO』シリーズ(ともにフジテレビ系)は、彼の見せたスタイルそのものが若者を熱狂させ、社会現象まで巻き起こした。そう、ドラマの中のキムタクはいつだってキムタクであり続けるため、かっこいいを「キープ」するのではなく、時代に合わせて「アップデート」し続けてきたのだ。

 今回の尾花役も髪型、服装、そして、その強気で不良っぽいもの言いも、すべてが注目されること確実だ。第1話でも、少しも古くさくない、キムタクの今のかっこよさを感じた。これは役作りというレベルをすでに超えている。「かっこいい」のアイコン、キムタクであることを常に求められてきた、一流アイドル出身のカリスマだからこそできるアップデート能力なのだ。

 93年の『あすなろ白書』(フジテレビ系)でただのアイドルではない演技派の地位を確立し、96年の『ロングバケーション』(フジテレビ系)で世を虜にし、2000年代は前述の日曜劇場ほかの名作に続々出演。まさに平成ドラマはキムタクとともにあったといっても、過言ではない。はたして、令和の世はどうか? 『グランメゾン東京』で見せるキムタクのアップデート力が、日本のドラマをさらにアップデートさせるに違いない。(ドラマライター・半澤則吉)

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