元編集者が語る「好きなことを仕事にしよう」本の危険性 (2/2ページ)
■会社にしがみつく人生から抜け出すために考えるべきこと
目標を追うよりも、現時点の知識やスキルを使って誰かに具体的な貢献する生き方をしていく方が、人のつながりができやすくなり、「あの人はこういうことをやっていて、このスキルがある」といった情報が周囲に広がっていきやすい。こうした他者からの評価や評判がこれからの時代を生きる大きな武器になる。こうした評判を耳にした人から、人づてに仕事が舞い込むことが増えるからだ。
こうした依頼の中には、自分の知識やスキルが役立つ一方で、これまでやったことがないチャレンジングな仕事も含まれていることだろう。そのチャレンジを続けていくうちに、少しずつ自分のできることの幅が広がり、人脈もできていく。
自分が勤めている会社ではなく、自分という個人に宛てて仕事を発注する人ができれば理想的だ。会社への依存度は経済的にも精神的にも低くなり、生き方や働き方の選択肢が増える。これこそが長倉さんが本書で提唱する「GIG WORK(ギグワーク)」という働き方だ。
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冒頭の話に戻るが「好きなことを仕事にしたい」といううたい文句の本に惹かれる人が多いのは、「好きなことを仕事にできているかどうか」の問題ではなく、おそらく「選択肢があるかどうか」の問題だ。好きな仕事ではないが、他に食べていく道がないから会社にしがみつかざるをえない、という人がそれだけ多いということなのだろう。
ならば、考えるべきはいかに自分に選択肢を作るかだ。会社に使われるのではなく、誰と仕事をするか、どんな仕事をするか、いつどこで仕事をするかという選択権を自分の手に取り戻すために、本書は大きな助けになってくれるはずだ。
(新刊JP編集部)