元編集者が語る「好きなことを仕事にしよう」本の危険性 (1/2ページ)
書店に行って「ビジネス・自己啓発」の棚を見ると「好きなことを仕事にしよう」「やりたいことで生きていく」といったうたい文句の本が溢れている。いかにも魅力的な文言だが、実現できる人がどれだけいるだろうかという疑問もわく。
■「好きなことを仕事にする」を鵜呑みにするな「オレたち凡人は社会に出てもやりたいことを探している人間が大半」
そう語り、「好きなことを仕事にしよう」的なうたい文句を鵜呑みにすることに警鐘を鳴らすのは、『GIG WORK(ギグワーク) 組織に殺されず 死ぬまで「時間」も「お金」も自由になる ずるい働き方』(すばる舎刊)の著者、長倉顕太さんだ。
元編集者でもある長倉さんはこうした本がよく売れることを認めたうえで、「どれだけの人が好きなことで稼いでいるかあやしい」とも述べる。
好きなことを仕事にしようにも、好きなことと稼ぐことが一致するとは限らないし、一致したとしても必ずしも成功するわけではない。そもそも大半の人は好きなこともやりたいことも定まっていないだろう。
ならば「好きなことを仕事にする」という生き方は一度忘れた方がいいのかもしれない。
「好きなことを仕事にする」を実現できるのが一握りの人ならば、仕事をするうえで「好きなこと」なんてどうでもいい、ついでにいえば「目標」なんてものもいらない。だから「好きなことを仕事にする」などという目標を定める必要はない。
大事なのは「好きなこと」ではなく「今、自分にできること」であり、把握しておくべきは「目標」ではなく、自分が今どんな人間かという「現在地」である。これまでの仕事や人生経験で得てきたスキルや知識、つまり「現在地の自分」をつかって、社会や顧客、周囲の人々に貢献するという生き方が、今の時代に必要とされているのだと長倉さんは言う。