1兆5000億円が泡と消えても巨大投資を辞めない孫正義氏の「自信の根拠」 (2/2ページ)

Asagei Biz

 その中で孫氏は「先進的なジョイントベンチャーが、深刻な業績不振に陥った」「ITバブルの崩壊により、自社の時価総額が100分の1にまで落ち込んだ」「2兆円を投じて買収した会社に『負け癖』が染みついてしまっている」…(目次より)などと、自らが危機に直面した時の経験を振り返りながら、こう述べている。

「何か欠陥が見つかった。それを見つからないようにするか、なるべく発表を遅らせるか……トップが説明に真っ先に行く、記者会見を真っ先に、一刻も早く行う。そして、質問が途絶えるくらいまで洗いざらい行う」

 今回「ボロボロ」と表現した率直さにもその姿勢は表れている。
 
 また、会社とバッシングの関係を、ハンターとライオンの関係に例えて、ライオンに遭遇したハンターが怖くなって背中を向けたら襲われるだけだから、勇気をもってライオンに立ち向かうべきだと言う。

「どんな会社でも、何かのミスとか事故とか事件とか、必ず起きるものだと思ってください。それが起きたときにどう対応するかが物事の大きな分かれ道になる」(同書)

 ライオン相手に素手で勝負してきた自負が窺える。ということは、やはり孫氏は今後も、周囲の心配をよそに我が道を行くというのだろう。だが同じ修羅場でも、今回はウィーワーク騒動に引きずり込まれたとはいえ、それも孫氏の投資判断が自ら招いたものと言えなくもない。
 
 第2号ファンドがライオンに化けなければいいのだが。

(猫間滋)

「1兆5000億円が泡と消えても巨大投資を辞めない孫正義氏の「自信の根拠」」のページです。デイリーニュースオンラインは、WeWork決算孫正義ソフトバンク社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る