宇宙の形は巨大風船のように湾曲し、ループしているという新説が登場(英・伊共同研究) (2/4ページ)
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・開いた宇宙と閉じた宇宙
研究グループの1人、ローマ・ラ・サピエンツァ大学のアレッサンドロ・メルキオーリ氏によると、閉じた宇宙と開いた宇宙の違いは、ベッドにまっすぐ敷かれたマットと膨らんだ風船との違いに似ているという。
どちらの宇宙も膨張しているが、マットのような形が膨張したときには、あらゆる地点が互いにまっすぐ遠ざかることになる。
しかし風船のような形が膨張した場合、表面の各地点が互いに遠ざかるのは同じであっても、風船の湾曲のために遠ざかり方はもっと複雑になる。
また開いた平坦な宇宙では、ふたつの光が並行して移動するなら、どこまで行っても交わったりはしない。しかし、閉じた宇宙では、並行して移動する光が交わることもある。
・インフレーション理論の平らな宇宙
従来のインフレーション宇宙理論は、宇宙が平らであることを示している。
このモデルによれば、宇宙の膨張を過去にさかのぼり、ビッグバンから0.0000000000000000000000001秒後という始まりの時点まで巻き戻してみると、宇宙が無限小の点からグワッと爆発的に膨張する瞬間が見られると考えられる。
ほとんどの専門家が平らな宇宙を支持する最初の理由はこれだ。もし宇宙が平らでないのならば、この原始のメカニズムがぴったりと収まるように物理を細かく調整しなければならなくなってしまう。