森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」★北陸新幹線水没は判断ミス (2/2ページ)

週刊実話

現場を知り尽くしているJRが言っているのだから、現状の技術や保安制約ではそうなっているのだろう。ただ、そうなると、台風が来るたびに退避の時間を確保するために新幹線を計画運休しなければならなくなる。素人感覚で言えば、たった10編成の新幹線を退避させるのに必要な時間は、1時間もあれば十分なはずだ。それができるように技術を開発し、規制を見直すべきなのだ。

 アップル社のCEOだったスティーブ・ジョブズは、iPhoneの開発をしているときに、立ち上がりが遅いことを改善しろと部下に命じた。「いまの技術ではこれが限界です」と言う部下に、ジョブズは「とにかくやれ」と厳命したという。ジョブズは、技術に関しては、まったくの素人だった。しかし、素人だからこそ、ユーザーの立場からiPhoneの弱点を指摘でき、その改善がiPhone成功の大きな要因になったのだ。JRにも同じことをしてほしい。

「森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」★北陸新幹線水没は判断ミス」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る