田中角栄「怒涛の戦後史」(12)元首相・佐藤栄作(下) (3/3ページ)
田中大臣以外だったら、あの交渉は間違いなく暗礁に乗り上げていた」
かくて、佐藤首相はこの交渉の妥結に伴い、「沖縄返還」を規定通り実現させることができた。昭和47年5月15日である。
それから約1カ月半後の7月5日の自民党総裁選は、「角福総裁選」と言われたように、事実上、田中と福田の熾烈な争いとなり、田中が勝利をおさめた。
結局、佐藤が福田のために多数派工作で動いた形跡は、なかったのである。
(文中敬称略)
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【著者】=早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。