英国ウェルズ大聖堂に勤務する猫、ルイス氏にスキャンダル勃発。3件の犬襲撃事件の容疑がかかる(追記あり)

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英国ウェルズ大聖堂に勤務する猫、ルイス氏にスキャンダル勃発。3件の犬襲撃事件の容疑がかかる(追記あり)
英国ウェルズ大聖堂に勤務する猫、ルイス氏にスキャンダル勃発。3件の犬襲撃事件の容疑がかかる(追記あり)


 ルイス氏(17)は、英、サマセットのウェルズ大聖堂に常勤し、主にパトロールをしていたりしていなかったりする猫である。訪れる人々に大人気の猫で、『大聖堂の猫ルイス』という子供向けの本の主人公にもなった。大聖堂のみやげ店には専用席まで設けられている。

 しかし先日、ルイス氏に犯罪疑惑がかけられた。突如攻撃的になり、「まるで野生のライオン」のように犬を襲ったというクレームがあったのだ。ここ数週間で少なくとも3件の犬の襲撃事件との関連が疑われており、更に余罪があるのではないかと見られている。

 このスキャンダルは一気に広まってしまったため、”ルイス親衛隊”と称するグループが彼の弁護に立ち上がった。また、大聖堂の職員もこれは見間違いであり、「ウェルズ通り周辺には、同じ色の猫が少なくとも2匹はいる」との異例の声明を発表している。


 犬襲撃事件がかかっているルイス氏(17)
 本人は黙秘を貫いている。ていうかしゃべれないし。
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 ルイス氏が大聖堂の顔となったのは10年前。野良猫だった彼がここに迷い込んで引き取られてからのことだ。ルイス氏はすぐに、12世紀の建物に巣食うネズミのパトロール役に任ぜられた。大聖堂の中を威風堂々と歩くルイス氏の姿や、美しいアーチ下のバスケットで眠る姿、祭壇の前でヒゲのお手入れをする姿が話題となり、大聖堂はルイスさんグッズを販売し、その収益で彼の給料(飼育費)を賄うようになった。

 ルイス氏の拠点はおみやげ屋のバスケットである。
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 さらに聖堂番がナレーションを務める動画がユーチューブ上に公開されると、その人気に一気に火がついた。


A tour of Wells Cathedral, without the chairs, by Louis the cat

パトロール中のルイス氏。様々な場所で目を光らせている
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目と閉じたりもしている
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 ルイス氏は館内だけではなく、館外もパトロールする。周辺に外出もする。そこで襲撃事件の疑惑がかけられたのだ。

 「サバンナに住む野生のライオンのように、うちのミリーちゃんに飛びかかってきたんです」と、スプリンガー・スパニエル犬を散歩していたマンディさんが襲われたときの状況を証言する。

 「おみやげ屋のウィンドウショッピングをしていたのですが、ちょうど外に例の猫が座っていました。そうしたら彼が近寄ってきて、うちの犬を睨み始めたんです。うちの子も負けずに睨み返しましたところ、突然、頭目がけて襲いかかってきたんです。猫は4倍くらいの大きさになって、腕を振り回していました。」

 突然の出来事に、犬のリードを引っ張ったマンディさんだが、道の溝の中へ転倒してしまったという。折悪く雨の日でもあり、痛いうえに泥だらけで、まさに踏んだり蹴ったりだったそうだ。近くにいた人に聞いたところ、犯人は大聖堂で飼われているルイス氏であり、時折凶暴になるという噂があるという。

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大聖堂にあるラジエーターの側もお気に入りの寝場所である

 この騒動は、おみやげ屋の店員デビー・シェパードさんの耳にも入った。

 「確かにシャーっという声は聞こえましたが、慌てて外を見るともう落ち着いた感じのルイスが通りを歩いていました。本当に優しい子なんです。あの子が突然凶暴になるなんてちょっと信じられません。」

 英サマセットのシェプトン・マレットに住むという女性はこう語る。

 「何日かして息子とその彼女と一緒に大聖堂を訪れました。そこでレジの後ろに置かれたバスケットの中で眠っているあの猫を見つけたんです。それで皆で撫でてみました。そのときは本当に大人しい良い子でしたよ。襲撃事件を起こした猫だなんて信じれらませんでした。」 

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 2つ目の事件についてもルイス氏に容疑がかけられている。ゾーイ・ヒースさんは大聖堂の西口の前で兄弟の犬が大きな茶色の猫に襲われたときの様子を語る1人だ。

 「犬は危うく失明するところでした。あれはルイスだと思いますよ。」
 
 3つ目の事件の目撃者は町の法廷で廷吏を務めるレン・スウェールズさんだと言われているが、ルイス氏であるとは断言できないという。ルイス氏とそっくりな猫がいるので、その猫が真犯人なんじゃないかとスウェールズさんは考えているようだ。

 ルイス氏はジキルとハイドのような二重人格の持ち主なのだろうか? それとも、彼に瓜二つの猫が通りで暴れているのだろうか? ”ルイス親衛隊”によれば、彼に攻撃的な様子はちっとも見当たらず、いつも凛としているという。

 5年前から彼のことを知るという“ルイス親衛隊”のメンバーの1人は、「1日のほとんどを大聖堂のお店に置かれたバスケットで眠っている年老いた猫がそのような反応を示したのなら、それは余程のことをされたはずです。敬意を払えば、そんなことは二度と起きないでしょう」。


Louis the Wells Cathedral Cat

 さて犯人はだれなのか?。大聖堂の敷地内には監視カメラがなかったのだろうか?真相はわからないままであるが、同じような事件が今後起きないとも限らないのでルイス氏には首輪をつけた方が良いかもしれない。

追記(2019/11/21)
 英国ウェルズ大聖堂は、ルイス氏が亡くなったことを発表した。ルイス氏は2016年に退職しており、その後、大聖堂職員のマーク・ロウと彼の妻ルースと晩年を過ごしていたが、2019年11月14日に病気で息を引き取ったという。2015年の時点で17歳ということは、21歳くらいということになる。

 11月17日、ウェルズ大聖堂はルイス氏の訃報をツイッターに投稿、世界中から追悼のコメントが寄せられた。


 ルイス氏、お疲れ様。安らかにお眠りください。


via:dailymail・原文翻訳:hiroching
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